インドネシア国際オートショー(インドネシアモーターショー)には、既存車種をカスタマイズしたコンセプトカーも出展される。今回はダットサンとトヨタが意欲的なカスタマイズモデルをディスプレイして、観衆の反応をうかがっていた。
ダットサンは『GO』をレーサー風にドレスアップした『GO Liveコンセプト』をワールドプレミア。若者に向けた提案で「ホットハッチ」あるいは「ボーイズレーサー」といった、いささかノスタルジックな響きの単語を思い浮かべる人もいるかもしれない。実際に、これはダットサンの次世代モデルを予告するものではない。
ダットサンのエグゼクティブ・デザインダイレクター、ケイ・キュー氏は「この車を一言で表すなら”フリースタイル”ということになる。インドネシアのエンスージァストが持つ、楽しさの表現の豊かさや自由な態度を反映している」と説明している。
たしかに発売前のテストカーのカモフラージュを思わせるシルバーのストライプや、高彩度のイエローと艶やかなブラックのツートーンに彩られたエアロパーツは、現代的なグラフィックセンスに基づいたものと言える。17インチタイヤを覆う後付けのフェンダーも、前後バンパーと一体で考えたモダンなデザインだ。
どうやらこのコンセプトカーは、ベーシックカーというイメージが強いGOのキャラクター拡張可能性を示し、若者の嗜好に応えられることをアピールする目的があるようだ。しかし「将来のダットサンの、デザイン言語のヒントを探るエクササイズ」とも述べていることから、ショーでの反響が今後のダットサン・デザインに刺激を与えることは間違いない。
いっぽうトヨタは、同国市場には昨年導入した『シエンタ』をベースにした『シエンタEZZY(エッジー)』を展示。名前の通り、丸みのあるボディに鋭角的なグラフィックを持つエアロパーツを装着し、ベース車両とは異なったイメージにするドレスアップ提案だ。ただし販売予定のないスタディモデルとのこと。
エアロパーツのデザインはトヨタの現地法人、トヨタ・アストラモーターのデザイン部門が手がけた。キーンルック風に改められたグリル上部やヘッドライトの形状に呼応するLEDのアクセサリーランプなど細部まで作り込まれている。インテリアのカスタマイズは控えめで、インパネ加飾にエクステリアのカラーをあしらったほかには、シート表皮が変更された程度にとどまっている。