自賠責運用益6169億円、国交省への返済は?---予算の査定も握る財務省国土交通3係

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麻生財務相 (c) Getty Images
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  • 確かに、財務省と国交省の大臣間では2018年度までに返済すればよいことになっているが....。
運用益6169億円の返済を求め、財務省に申し入れをすべき。そんな厳しい意見も出た今年の「今後の自動車損害賠償保障制度のあり方に係る懇談会」(あり方懇)。

今年度も返済できない理由を、麻生太郎財務相は「国の財政事情」とした。麻生氏に限らず、1994年に初めて返済を大臣覚書で先送りした藤井裕久蔵相も、それ以降に覚書を交わして数年づつ先送りを続けた歴代蔵相、財務相も同じ理由を語り続けて、借入初年度から23年が経過した。

今年は特に2018年度の返済期限を目前に、その予算編成に当たる年になる。1月に開催された金融庁の自動車損害賠償責任保険審議会でも、5月のあり方懇でも財務省に返済を求める意見は根強かった。

しかし、財務省は「各委員のご発言について、個別にお答えすることは差し控える。仮定の質問にも同様」とそっけない。委員である交通事故被害者団体が、毎年返済を求める書面を持参しているにも関わらずだ。

本来、返済を迫るべき国交省も「着実に繰り戻し(返済)が行われるよう求めたい」と同じ言葉を繰り返すだけだ。なぜ財務省は自動車ユーザーの保険料の運用で得られた貸付金を棚上げし続けるのか。

国交省が策定する被害者救済対策や事故防止対策など運用益事業の特別会計の予算査定を行うのは、主計局国土交通第3係だ。一般に財務省が官庁の中の官庁と言われるのは、この予算査定権限を持っているからだが、同時にこの主計局国土交通第3係が、貸し付けた6159億円の査定を行う当事者でもある。

「来年度返済しなくても、十分やっていけるじゃないかと言われればそれまで」と、財政に詳しい国会関係者はいう。

財務省は「繰戻し(一般で言う返済)に関しては、一般会計の財政事情、自動車安全特会の収支状況に照らし、財務省及び国土交通省が協議した上で判断する」と回答したが、すべては対等ではなく、貸し手である国交省より、借り手の財務省が優位に立っていることの現れではないか。被害者救済は二の次である。

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《中島みなみ》

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