【GLM G4】ロードヨットがコンセプト…部品点数はZZの2倍以上

エコカー EV
GLM G4(東京・豊洲、2017年4月18日)
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モーターを前後に2機置き、最高出力540ps、最大トルク1000Nm、0-100km/h加速3.7秒というパワーで静かに駆け抜ける日本版スーパーEV『GLM G4』。そのコンセプトは、「荒々しい波のなかを、前へ前へすすんでいく『ロードヨット』(RoadYatch)」という。

4月18日、東京・豊洲の発表会に登壇したGLM代表取締役小間裕康社長は、「排気量に頼らず、EVで風光明媚な場をクリーンに走る。そんなヨットと同じ。ドアは、空高く跳ね上がる4枚のアビームセイルドア(Abeam Sail Door)を採用。まったく新しいセグメントのスーパーカーだ」と伝えた。想定価格は4000万円。国内外で1000台の販売を目指す。

小間社長が「新しいセグメントのスーパーカー」とうたうこのクルマの特徴のひとつに、「スポーツクーペでありながら、スペシャリティGTカーの魅力も兼ね備える」という点だ。

クーペスタイル、スーパーカーのルーフラインを保ちながら、4ドア・4座席を組む。「車両全体で気品さと力強さと優雅さを強く表現した」というこのクルマのインテリアは、ホワイトを基調とした未来的なつくりに。「乗員4人がくつろげる快適な空間」を実現し、ガルウィングに似た“観音開きドア”を上方に跳ね上げて乗降する。

同社が名付けたアビームセイルドアのAbeamは、「ヨットやウィンドサーフィンなどがプレーニングする状態で、最もスピードが出ているときをイメージしている」という。「車両コンセプトである『ロードヨット』と、スーパーカーのスピードを象徴する名称として名付けた」という。最高速度は250km/h。航続距離は、400km(欧州標準試験モード NEDC基準)。小間社長は、「トミーカイラ『ZZ』で培った技術をさらに前進させ、官能的な世界をこのG4で描いていく」と話していた。

強大なパワーは、専用開発の高効率・高出力なモーター(Multi saliency power package)から生み出され、「さまざまな走行シーンでの効率と運動性能を向上。同パッケージを前後に2機搭載し、協調制御を行いながら、走行性能を向上させる」。また、鉄道分野などでも採用されているIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)の改良によって、スイッチングロス(電気回路の開閉で生じる電力損失)の低減と電費の向上が図られた。

「ファーストモデルのトミーカイラZZは、走ることだけを徹底的に追求したモデル。『子どものように楽しめる時間を与えてくれるクルマ』だった。このG4は、ZZとはまったく違う価値観で、官能的な時間を与えてくれるクルマを目指し開発。細部まで洗練されたスーパーカーとして世に問うものだ」

GLMには、トヨタ自動車でレクサスシリーズのアンダーボディ(車台)設計課長を務めた藤墳裕次技術本部長をはじめ、日産、スバル、ダイハツなど、既存の自動車メーカー出身のエンジニア、三菱重工、アイシン精機などサプライヤー出身のエンジニアなど、15人が所属。今後、エンジニアを30人態勢で開発を強化していくという。「まったく新しいセグメントのG4に採用されたさまざまな技術は、自動車産業の新たなスタンダードになり、テクノロジーショーケースといえる作品になる。ここで培った技術が、世界の自動車メーカーに組み込まれていくはずだ」と小間社長。

「ZZで流用できる部品は限られているうえ、G4の部品点数は、ZZの2倍以上。G4は、自分たちの欲求を突き詰めている。こちらの要求仕様を満たす汎用品はなく、ほぼゼロから新しくクルマづくりをすすめている」(藤墳技術本部長)

18日の発表で姿を見せたG4は、「まだプロトタイプで、これから突き詰める。18日からウェブサイトをリニューアルし、G4の車体内部も公開。年内には、走行シーンの動画をアップする予定」という。

同社はことし秋、京都に新たな研究開発拠点を新設。「G4開発に合わせ、地上4階建て(延べ床面積2151平米)のビルを昨年秋に取得。ここを研究開発拠点とし、ボディ設計の精度を上げるレイアウトマシン(三次元測定機)などの専用設備を置き、開発能力を高める」という。

《レスポンス編集部》

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