【新聞ウォッチ】トヨタ、米工場に1500億円追加投資、発表資料にトランプ氏の歓迎コメント掲載

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トヨタのケンタッキー工場(TMMK)外観
  • トヨタのケンタッキー工場(TMMK)外観
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年4月11日付

●2065年の人口8808万人、減少傾向やや鈍化、53年に1億人割り込む(読売・2面)

●日産販売網を再編へ、店舗、5種類に拡充(読売・8面)

●トヨタ米工場1470億円投資へ、ケンタッキー州トランプ氏歓迎(読売・9面)

●就活解禁日程を継続、19年春組、選考6月経団連発表(読売・9面)

●東芝、決算きょう発表へ、3度目延期を回避(朝日・7面)

●安全講習受講で、自動車保険割引、三井住友海上(産経・10面)

●アメ車売れるか、トランプ政権、経済対話で注目(東京・7面)

●ガソリン先物が上昇、原油高波及、国内外で(日経・22面)

●トラック輸送値上げに走る、宅配便強気の交渉(日経・22面)

ひとくちコメント

トヨタ自動車が米国にあるケンタッキー工場に13億3000万ドル(約1500億円)を投じ、生産設備を刷新すると発表した広報資料の中に、トランプ米大統領をはじめ、ケンタッキー州選出の上院議員や知事らの歓迎のコメントを掲載する“異例の措置”を講じていたことで話題を呼んでいる。

トヨタの米工場への追加投資については、きょうの日経が1面準トップなどで大きく報じたほか、各紙も経済面で取り上げているが、記事は投資の中身よりも、これまでトヨタを激しく「口撃」し続けていたトランプ氏が「今回、初めて前向きにコメント」したことに注目。このうち日経は「トヨタの度重なる投資計画発表が信頼醸成への一歩となったようだ」と伝えている。

また、毎日は「トヨタの決定はトランプ政権の下、製造業の経済環境への信任が大きく改善したことのさらなる証拠だ」とのコメントを抜粋。「一定の評価をする声明を寄せた」と取り上げているほか、朝日なども「歓迎のコメントを出した」としている。

ただ、自画自賛とも読み取れるトランプ大統領の歓迎コメントを織り込んだ内容の発表文については、東京や日経の解説記事によれば「トヨタがロビー活動でトランプ政権から一定の理解を取り付けた成果だが、米国での新工場建設を求めるトランプ氏がトヨタへの圧力を弱めるかどうかは未知数だ」と指摘。

米フォードモーターがメキシコでの工場建設を撤回した際などに示した「サンキュー」の言葉は、見当たらなかったからだという。

来週18日からは日米両政府が貿易政策などを話し合う「ハイレベル経済対話」が東京で開かれるが、自動車産業にも厳しい要求が出される可能性も予想される。保護主義を提唱するしたたかなトランプ氏のことだけに、そのくらいの“忖度”では気分が大きく変わるようなことはなかったようだ。

《福田俊之》

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