自動運転車両の試験を安定的に実施できる「特異環境試験場」とは

自動車 テクノロジー ITS
特異環境試験場は外光が入らないようになっており、全暗黒(夜間)の環境を作り出すことができる。昼間でも夜間を模した試験が行えるようになった。
  • 特異環境試験場は外光が入らないようになっており、全暗黒(夜間)の環境を作り出すことができる。昼間でも夜間を模した試験が行えるようになった。
  • 逆光状態を再現できる大光量の照明装置もある。
  • あまりに光量が大きすぎて「直視は危険」との判断で、遠くのクルマを照らすデモンストレーションに。
  • 霧発生装置があり、濃霧の状況を再現可能。
  • この試験場で再現できる濃霧の一番ハードな状態(視程15m)に向けて準備を進める。
  • もう何も見えないといった状況に。こうした状態をいつでも、安定的に再現できるのがこの施設の特長。
  • 雨は3段階の強さで降らせることができる。ゲリラ豪雨級の時間あたり80mmにも対応。
  • シャッターを開けて外光が入った状態だが、もちろん夜間を模していても同様の降雨状態が作り出せる。

日本自動車研究所(JARI)が茨城県つくば市内に開設した自動運転車両用の評価拠点「Jtown」のうち、その柱となる施設は新たに設置された「特異環境試験場」と呼ばれる屋内施設だ。

この施設は雨や霧、日照といった実際の交通環境で想定される特異な天候の状況であるとか、こうした環境下における自動運転車両の走行状況を屋内で再現できることを最大の特長としている。施設内の照明をコントロールすることで夜間(全暗黒状態)から、日の出直前や夕暮れ時の薄暮状態を再現することができ、大光量の照明装置を使うことで日の出直後や日の入り直前を模した逆光状態も作り出せる。

また、降雨や霧の状態を再現することも可能で、雨は「強い雨(時間あたり30mm)」、「激しい雨(同50mm)」、「非常に激しい雨(同80mm)」を降らせることができ、激しい雨の状態であれば約30分間の維持ができる。霧については視程15-80mまでの状況を再現でき、こちらは約1時間に渡って発生させられる。

昼間であっても夜間を模した試験であるとか、晴天であっても雨天や霧による視界悪化を模した試験を行えるだけでなく、その状況をコントロールして安定的に行えることで、従来よりも自動運転車両に使用するカメラやセンサー類の試験が円滑に進むことが期待されている。

《石田真一》

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