【スズキ スイフト 新型】バレーノがあったからこそ特徴を伸ばせた

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スズキ・スイフト新型
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スズキ『スイフト』がフルモデルチェンジし3代目になった。スズキでは同じセグメントに『バレーノ』があるが、現場ではほとんど“カニばる”ことはないという。

スズキ四輪商品・原価企画部製品・用品企画課の天野俊之さんは開発当初、「バレーノはかなり意識をした。企画側の立場の人間としては同じBセグメントに、そこまで規模の大きくないスズキというメーカーが2車種持つということは、本当に正解なのかと疑問だった」と振り返る。

しかし「バレーノがあったからこそ新型スイフトが個性的に振ることが出来た」と天野さん。「コンパクトカーに求められる性能は、オールマイティなところだ。それをスイフト1車種でカバーしようとすると、どうしても限界があり、スイフトという個性的で特徴的なクルマを作ることが出来なくなってしまう」という。

しかしバレーノがあったおかげで、「荷室サイズや後席の広さ、ゆったりした乗り味がいいという人にはバレーノを勧められるので、もっと尖った、スイフトの特徴を生かして開発することが出来たのだ」と述べる。設計上も、「バレーノが少しゆったりした乗り味であるのに対し、スイフトは足回りやステアリングのキビキビ感を意識している」と話す。

スズキ国内営業本部国内営業企画部商品課の阿知波敦士さんは、「コンパクトカーユーザーの平均年齢は他社も含め55、6歳に上がってきている中で、バレーノは55歳くらい、スイフトは若干若い50歳ぐらいで、年齢的にも気分的にも若い人が購入している」と説明。

また、「バレーノは乗り味やデザインもしっとり艶やかなイメージで、乗り心地もゆったりしているチューニングを施しているので、上手く棲み分けは出来ている」と阿知波さん。

そのうえで販売現場での状況について、「『ソリオ』、バレーノ、スイフト、そして『イグニス』それぞれが、バランスよく売れている。より見晴らしが良く広さを求めてソリオ、コンパクトワゴンではなくコンパクトハッチが欲しい人で、広さや乗り心地を重視したバレーノか、走りとしっかり感でスイフトと上手くバランスが取れている」という。

そして、「これまでは、何か新型を出すとそれまで売れていたクルマが凹んでしまうことが多かったが、新型スイフトを出してもその他の販売が落ちていない。良いバランスでそれぞれが売れている」と現状を語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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