【トヨタ C-HR ハイブリッド 試乗】クロスオーバーの皮をかぶったプリウスなのか?…青山尚暉

試乗記 国産車

トヨタ C-HR G
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トヨタ最新のトヨタニューグローバルアーキテクチャー「TNGA」を『プリウス』に続き採用したクロスオーバーモデルが、コンセプトカーをそのまま市販車にしたようなデザインを持つ『C-HR』である。

Gグレードはプリウス直系のHVシステムを採用。つまり98ps、14.5kgmの1.8リットルエンジン、72ps、16.6kgmのモーターが動力源。車重はプリウスSツーリングセレクション比で約70kg重いため、変速機がローキーヤード化されているのはもちろんだ。そしてモード燃費はプリウス主要グレードの37.2km/リットルから30.2km/リットルとなっている。しかしそれでも『ヴェゼルハイブリッド』、『CX-3』を大きく上回り、クラストップレベルの燃費性能ということになる。


◆前席優先のカップルズカー

C-HRの大きな特徴は、デザインだけではない。FF車は全高1550mmと、立体駐車場への入庫も容易。これは合わせて重心の低さにも直結する。

とはいえ運転席に収まると、ヴェゼルより低いが、CX-3よりは高い着座位置。視界はプリウスより105mm高く、フロアからシート座面の高さも55mm高く、本格SUVほどは高くないものの、プリウスとは別世界と言えるクロスオーバーらしい見晴らし感覚がある。

一方、後席はなんとプリウスと同等の地上高にセットされている。つまり、後席は沈み込んだような着座感になる。プリウスにはないフロア中央のトンネルもあるから、足元広々とも言えない。そもそもC-HRは後席を重視したプリウスのようなファミリーカーではなく、前席優先のカップルズカーというコンセプトなのである。


◆すっきりした操縦性の「Gグレード」

HVであり、FFのみの設定となるGグレードが履くタイヤは225/50R18サイズ。言ってみればTNGAとして始めての18インチだ(プリウスは17インチまで)。路面、段差の大小によって硬さ、突き上げを感じるシーンがないではないが、ボディ、足回り剛性の高さ、よく動くサスペンションによって、むしろフラットで快適な乗り味…と感じる人が多いはずである。

もっと言えば、17インチタイヤを履く1.2リットルガソリンターボ、4WD限定のTグレードより操縦性はすっきり。より上質なドライブフィール、乗り味、プリウスよりスポーティな操縦性の持ち主ということができる。

特にステアリングの効き、リニアさ、人車一体感は文句なく、山道や高速レーンチェンジなどでの姿勢変化の少なさ、安定感はなかなかのもの。聞けばドイツ・ニュルブルリンクで走行テストを重ね、ダンパーメーターのザックスとともに足回りをチューニングしたんだそうだ。

が、気になる点もある。例えば、荒れた路面、粒の粗い舗装路面でのステアリング、フロアに伝わるビリビリした振動だ。同じ路面をプリウス17インチ、C-HR17インチで走っても気にならない。つまり18インチタイヤによる、気にならない人は気にならないかもしれないが、ボクのように気になると「残念無念」と感じてしまうウイークポイントとなる。


◆プリウスとの住み分けができている

1.8リットルエンジン+モーターの動力性能に個性はない。出足はかろやかでそれなりのトルク感もあるのだが、アクセル全開を試みても格別に速いわけではなく、加速に気持ちいい伸びやかさがあるわけでもない。

しかしながら、横浜周辺の市街地30%、首都高速道路70%を走行したときの実燃費は22km/リットル程度となかなかのものだった。C-HR Gはインパクトあるデザイン、SUVテイストあるクロスオーバーなキャラクターを備えていても、あるいはプリウスより走りにこだわっていても、パワートレーンとしては燃費を重視。そこが、ライバル車にないAC100V電源の装備、カラフルで魅力的なボディーカラーの用意を含め、C-HRらしさ、主張ということになるのだろう。

ちなみにラゲッジの使い勝手は優秀。開口部地上高はCX-3とまったく同値の780mmと高めだが、容量は十二分。さらにプリウス、プリウスPHVにある後席格納時の大きめの段差がなく、使いやすい。ペットを乗せるにもより適していると言っていい。

プリウスと同じプラットフォーム、HVシステムを持ちながら、キャラクター、よりスポーティな走行感覚、実用性など別物なのがC-HR。ファミリーならプリウス、シングル、カップルならC-HRというすみ分けがしっかりとできている。しかしHVで264万4600円(S)からの価格は、意外に安いという印象もあったりする。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との快適・安心自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ムック本「愛犬と乗るクルマ」(交通タイムス社刊)好評発売中。
《青山尚暉》

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