主催はメーカー、主役はオーナー…オーテック湘南里帰りミーティング2016開催

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AOG湘南里帰りミーティング2016。神奈川県警が所有するスカイラインGT-Rのパトカー。オーテックバージョンの40thアニバーサリーがベースだ。
  • AOG湘南里帰りミーティング2016。神奈川県警が所有するスカイラインGT-Rのパトカー。オーテックバージョンの40thアニバーサリーがベースだ。
  • AOG湘南里帰りミーティング2016
  • AOG湘南里帰りミーティング2016。記念撮影のポーズはAUTECHの「A」。
  • AOG湘南里帰りミーティング2016。まだ里帰りミーティングという名称になる前、ユーザーとのコミュニケーションが生まれる、里帰りミーティングの前身のイベントをスタートさせた当時も片桐社長がオーテックジャパンをまとめていた。今年4月からニスモと兼務で社長にカムバック。
  • AOG湘南里帰りミーティング2016。ゲストは2016年モチュールオーテックGT‐Rのドライバー松田選手とロニー選手。オーテックレースクイーンの菅野麻友さん。ロニー選手はようやく来ることができてうれしいと話した。
  • AOG湘南里帰りミーティング2016。毎年参加者に配られる記念品のマグカップ。今年の柄は公募された2016年のマスコットバージョンだ。ステッカーとともに。
  • AOG湘南里帰りミーティング2016
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秋の恒例となったオーテック・オーナーズ・グループ(AOG)湘南里帰りミーティング2016が、今年も11月19日、神奈川県大磯町の大磯ロングビーチ駐車場で開催された。

ポピュラーな自動車メーカーの一つ、日産自動車。日産車をベースにこだわりを持たせたクルマを世に送り出すことで、ファンを持つオーテック車。そんなオーテック車のオーナーのWEBコミュニティがAOGだ。AOGのオフ会でもある湘南里帰りミーティングは、湘南・茅ケ崎に本社を構えるオーテックジャパンが主催している。

年々その規模は大きくなり参加希望者は増えている。今年の参加申し込みは460台に上り、約1000人が集まった。「雨の天気予報でイベントのプログラムも大幅に変更を余儀なくされたのは、2004年にイベントをするようになって以来初めて(一度台風で中止されている)。この天気の中かなりの方が駆けつけてくださったのはうれしいし、正直驚いている」とオーテックジャパンの担当者は話す。

今年で創立30周年を迎えるオーテックジャパン。今まで数多くのスペシャリティビークル(乗用車ベース)、ライフケアビークル(福祉車両)、そしてワークユースビークル(生活を支える)と、手がけるクルマの特徴は多岐にわたる。「車種を絞ったイベントはよくあると思いますが、私たちのベースにあるスピリットを感じていただきたいので、車種を絞ることはしていません」と前出の担当者は話す。

ベース車では飽き足らない、しかし、量販車をベースにすることで扱いやすく、信頼性の高い、より高次元なクルマを、リーズナブルに、安心して乗れるクルマに仕上げた「ファクトリーカスタム」を展開するのがオーテックジャパンだ。

「かゆいところに手が届く」「マニアック過ぎないが、通ぶりすぎてもいない」「むしろ普通の人からするとあくまでもありふれた日産車でありながら、所有者どうしは分かり合える拘りがある。ステルス性がむしろいい」と、来場した人も言う。

今回は野外で予定されていたイベントは見送られ、屋内でのトークショーやビンゴ大会をはじめとした内容に変更された。例年会場では車種ごとに集まって停めている駐車場のレイアウトも、ランダムに奥から駐車。「オーテック車の幅の広さが際立ってこれもよい」と話す来場者もいた。

SUPER GTの「MOTUL AUTECH GTR」をサポートするオーテックジャパン。最終戦を終え、1年間ドライバーを務めた松田次生選手、ロニー・クインタレッリ選手、レースクイーンの菅野麻友さんもゲストで駆け付けた。オーテックジャパン30周年を記念して、限定30台のみが販売されすでに完売した『マーチボレロA30』に乗り、神奈川県警が所有するR33『スカイラインGT-R』のパトカーに先導され開会式に登場すると、会場から大きな歓声が沸き起こっていた。

イタリアはヴェローナ出身のロニー・クインタレッリ選手は、イタリア中部地震を受けて被災地への募金活動にも積極的だ。「ヴェローナから、大きな被害を受けたアマトリーチェ村までは300kmほど。自分の原点であるカートを一緒にやっていた友達の親戚が犠牲になりました。できることはとても限られていて全然足りないけれど、だからこそできる限りのことはしていきたい。イタリアの状況を日本に伝えると、多くの日本人が心配してくれました。イタリアにはそんな日本の気持ち届けたい。被災地ではクルマも足りない状況です。日本から大勢の方が支援してくださったお金と、日産の協力もあり、年内にはアマトリーチェにクルマを贈ることができそう」と話す。

今年4月から片桐隆夫氏がオーテックジャパンのCEOに就任した。今回はニスモと兼務だが、片桐氏が代表を務めるのは今回が2度目。オーナー向けのイベントを始めた2004年当時社長を務めていたのは片桐氏自身だ。「10年ほど経って、依然イベントが続いているのは大変うれしいこと。お客様のコミュニケーションを通してさらにいいクルマを作っていきたい。また最近ご支持いただいているニスモシリーズと合わせて、さらにオーテック車の価値を高めていきたい」と語った。

オーテックジャパンは、チューニング、外観のドレスアップばかりでなく、内装に関しても内製する。そのクラフトマンシップが宿る、内装と同じレザー素材で作られた、てるてる坊主「エルテル坊主」も受付横で参加者を待った。開会式からは雨はほぼ止み、傘を差さずに会場を散策できた。

このイベントでファンはリピーターとなり、また新たなファンを作ってきた。「あの方は今回3台目。奥様の軽自動車も『ライダー』になりました」などと、メーカーの社員がエンドユーザーの家族構成、カーライフを把握している。3000万円超級のスーパーカーメーカーではなく、街のディーラーで購入可能なクルマのメーカーの話。「実はお客様のカスタムは勉強になるのです。かかわったクルマを愛用してくださっているのを見るのもうれしい」とイベントスタッフとして会場に立つオーテックスタッフの一人は語る。

遠くは北海道、福岡から来る来場者も。過走行車もしっかり表彰し、中には70万kmオーバーのクルマも。10万km程度ではそれほど過走行にはならない。単に新車を売らんがためのイベントとは違う。

流れ解散となった今回の湘南里帰りミーティング。「また来年!」と晩秋の湘南をあとにし、参加者は家路に就いた。

《中込健太郎》

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