【CEATEC 16】最先端のコックピットを3D映像でリアルに紹介…コンチネンタルオートモーティブ

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デモは大型リアプロジェクターを使って3D映像で行われる
  • デモは大型リアプロジェクターを使って3D映像で行われる
  • 家エリア』に出展したコンチネンタルオートモーティブのブース
  • 3D上映されるデモはブースで貸し出される専用メガネを使って視聴する
  • ヘッドアップディスプレイ(HUD)で少ない視線移動でより多くの情報を得られる
  • 前方7m先に像を投影するため、まるで道路上にガイドが表示されているように見える
  • 『eHorizon』によって、ドライバーが気づきにくい状況を事前に把握することができる
  • 『eHorizon』ではより多くの車両とつながることで道路状況の変化をいち早く捉えられる
  • 車内にはカメラが設置され、ドライバーの健康状態や運転状況を常に監視できる

コンチネンタル・オートモーティブ・ジャパン(以下:コンチネンタル)は、千葉県・幕張メッセにて開催中の「CEATEC JAPAN 2016」に出展。同社の「ホリスティック・コネクティビリティ」に基づいたドライバーとクルマをつなぐ近未来のHMIを3Dモニター上でデモを行った。

この3Dモニターは、「インタラクティブ・コックピット・デモンストレータ」と名付けられたもので、日本で公開されたのは初めて。映像を3D化することで、様々なシーンの具体例を示しながらリアルでわかりやすく解説できるデモンストレーターである。このモニターでは様々なショーケースが紹介される。そのポイントは、モビリティのデジタル化によってもたらされる、より効率的で安全、快適なドライビング エクスペリエンスを実現する鍵「ホリスティック・コネクティビリティ」である。

“ホリスティック”とは、“包括的な”の意。様々な情報を取り込むことは、同時にリスクが発生することも考慮しなければならないわけで、そのリスクを軽減するためにも包括的なHMIを開発し、ドライバーとクルマ間の直感的なインターフェイスを実現しようという考えがこの提案の根底にある。

それはクルマを乗り込むところから始まる。ID登録済みのスマートフォンを持ってガレージに近づくと、自動的にガレージの扉が開いてクルマのドアロックが解除。シートに座るとスマホのIDによってパーソナルな設定が自動的に完了し、すぐに目的地へと向けてスタートできる。

最初のシナリオは、ドライバーの注意が散漫になっているときに警告を与えるというケースだ。街中を走っていると車内でベビーの泣き声。それに気を取られたドライバーが前方の障害物に気づくのが遅れる。そんなシーンでもメーター内にあるカメラによって、ドライバーの視線がどこにあるかを検知し、前方への注意が行っていると自動的に警告を発するのだ。

次のシナリオは、「ダイナミックeHorizon」の活用例だ。道路状況の変化を先行車が把握してその情報を後続車へサーバー経由で伝えるというもの。車線上に障害物があることをドライバーが気づかなくてもサーバーからの情報によってそれを車両側に伝達。情報を受信した車両は後続車の状況を把握した上で適切な車線への移動を促す。ドライバーが認識していなくても未然に危険を回避することができるのだ。

スマートウォッチをシャドーキーとして活用し、自分の車がどこにあるのかも把握できるケースも紹介された。車内に設置されたカメラはドライバーの健康状態も監視することができ、眠気などを検出して警告を発することも可能。ショッピングセンターなどに向かった場合には空いている駐車スペースに自動的にクルマを駐めることができる。

また、クルマとのインターフェイスで今後も機能が高まっていくとされるのが“仮想現実HUD”だ。前方7m先前後に像が見えるように設定され、まるで道路上にガイドが浮き出ているように見える。これにより、より自然にナビゲーションなどの誘導が可能となり、制限速度など交通規制に対しても対処しやすくなるわけだ。

その他、渋滞時の運転支援機能も紹介され、渋滞時は先行車に追従しながら車線も認識して正しい方向へ自動的に走行させる。この間、ドライバーは車内でゆっくりと寛ぐことができるのだ。電子メールやSNSが届いたときは、走行時は音声で読み上げ、渋滞時などで先行車に自動追従走行しているときはヘッドアップディスプレイ上に内容を表示する。そして、渋滞が解消されて通常走行に戻るときは、ドライバーへ運転の引き継ぎを促すといった具合だ。

これらのデモで共通するのは、自動運転の実現までに必要となるHMIを、最先端の通信技術などを介して、わかりやすい形でドライバーへ伝えようとしていることだ。自動運転が実現したとしても、その過程においてクルマとドライバーとのインターフェイスは極めて重要。コンチネンタルは実現可能な技術をまず提案し、自動運転のスムーズな導入につないでいこうというわけだ。

《会田肇》

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