ハーレーダビッドソンのニューエンジン『MILWAUKEE EIGHT(ミルウォーキーエイト)』の詳細が、ハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)の担当者への取材でわかった。
まず排気量は107キュービックインチ(ci=1745cc)と114ci=1868ccで、それぞれボアだけでなくストロークも異なる。
ツーリングファミリーとトライクに搭載される1745cc版がボア×ストローク100×111mm、上級仕様のCVO用1868cc版が102×114.3mmとなり、純正キットで107→114ciパーツが発売されるが、こちらはボアのみを拡大。排気量こそ1868ccとなるが、エンジンフィーリングは違うものになる。
さらに純正カスタマイズパーツとして、スクリーミンイーグル117ci(1917cc)ステージ3キットも同時リリースされる。
別体ミッション、プライマリーチェーン、ドライサンプといったハーレーのビッグツインならではのオーソドックスな機構は踏襲しており、プッシュロッドも健在。OHVながら4バルブとし、シリンダーヘッドのボリューム感を増したが、先代のツインカム(カムシャフトを2本備える)からシングルカムに戻しているのも大きな特徴だ。
そして2本のエキゾーストバルブの間には、冷却のためのオイルラインが新設され、空油冷エンジンと言える構造を持っていることがわかった。HDJ担当者も「油冷エンジンと言えます」という。
これに伴い4コート(約3.78L)だったエンジンオイル量を4.5コート(約4.25L)に増量させ、オイルポンプも強化させている。
ロワーフェアリングを持つ“ウルトラ”系モデルには、排気バルブまわりにウォーターラインを設け、部分的な水冷化としたツインクールド・ミルウォーキーエイトを搭載する。ラジエターはロワーフェアリングに内蔵。この手法は先代のツインカムエンジンと同じだ。
このツインクールド・ミルウォーキーエイトを積み“ウルトラ”モデルは、2017年のラインナップでは最上級機種の『ウルトラリミテッド』『ウルトラリミテッドロー』をはじめ『ロードグライドウルトラ』、そしてトライクの『トライグライドウルトラ』。さらに『CVOリミテッド』と『CVOストリートグライド』の合計5機種となっている。