【DS 4 クロスバック 試乗】この滑らかな乗り味、なかなか真似できません…中村孝仁

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DS 4 クロスバック
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どうしても頭にシトロエンとつい付けてしまいたくなるが、DSオートモビルが作る『DS 4』にシトロエンの冠は付かない。いよいよ全く新しいDSのラインナップがスタートした。

元々は「シトロエンDS4」として誕生したモデルだから、どうしてもシトロエンと呼びたくなるし、その導入当時のモデルはグリルにダブルシェブロンのエンブレムを戴いていた。それがDSオートモビル誕生とともに、シトロエンブランドと決別し、DSオートモビルとなったわけである。だからグリルも一新された。新しいグリルはDSウィングなるクロームの縁取りがヘッドライトまで伸びたデザインに代わり、グリルの中央には新たにDSのエンブレムが配される。

今回試乗したモデルはそのDS 4に追加となった「クロスバック」と名付けられた、よりSUV風を狙ったモデル。従来のDS 4よりも車高を30mm引き上げ、ルーフレール、リアスポイラー、それにブラックアウトされたホイールアーチモールディングなどを装備して外観にアクセントを付けたモデルである。また、試乗車の外装色オランジュトルマリンと呼ぶメタリックオレンジの塗色も、クロスバックの専用色である。

クーペライクなスタイリングで、リアドアのドアハンドルが巧妙にウィンドーグラフィックに隠され、2011年にはMost Beautiful Car in the World という賞を受賞した、実にバランスの取れたスタイリングを持っている。その卓越したプロポーションは認めるとして、一方でリアドアのサイドウィンドーは嵌め殺し。ヒンジスライドもしないから、空調はもっぱらエアコンだよりになることと、その美しさの追求故に乗降性には正直難のあるところは、とてつもない割きりで、これを商品化できるフランスのメーカーに嫉妬すら感じてしまう。

その割きりの凄さはまだある。今、世界の自動車メーカーはとりわけ安全性能の向上に関してあれやこれやと喧しい。とにかく付けられる安全デバイスはすべててんこ盛りにするのが今の主流である。ところがDS、潔いというべきか運転はすべてドライバーに委ねるべきという考えか、セーフティーブレーキと呼ばれる類の安全デバイスは一切付いていない。これはDSに限らず、フランス系のメーカーすべてに共通で、まさしく思考回路の違いからくるものなのか、あるいは優先順位の違いか、フランスだけが独自路線をを歩んでいる感が強い。まあ出来ればつけて欲しいが…。

エンジンとトランスミッションのドライブトレーンは、BMWとの共同開発によって誕生した1.6リットルツインスクロールターボと、アイシン製の6速ATとの組み合わせ。このコンビが搭載されて以降、走りの表情は劇的に変わったと断言して良いだろう。

というわけでドライブトレーンは従来と変更はない。30mm引き上げられた車高及び着座位置に関しても、ノーマルDS 4と直接比較してみたいと分からないというのが正直なところ。しかし、東名高速を御殿場から新富士まで走り、そこから取って返して裾野までの高速区間と裾野から御殿場までの一般道区間で体感した走りの印象としては、これほど滑らかに走るクルマもそうざらにはない、というものだった。

いつも言うように相対比較しか出来ない(普通は)身としては、直前に乗ったクルマにその印象が左右される。試乗会場に乗り付けたのは、BMW『225Xe』。極めて完成度の高いモデルで、クルマの作りもカッチリとしてほぼ非の打ちどころのないクルマ。ところがそのBMWから乗り換えると、DS 4の何とスムーズで滑らかの乗り味なことか。ただ、その差はこのようにダイレクトに乗り換えてみないと分からない。正直、高速巡行時の乗り味は、大袈裟に言えばハイドラティバを備えていたシトロエンと大差ないというレベルである。勿論ハイドラクティバ同様、大入力でガツンと来る突き上げ感などは残っていてるが、収束は早いし、そのレベルもBMWと変わらない。この絶妙な乗り心地がDS 4最大の売りなのだが、なかなか表現しにくい。手っ取り早いのは、自分のクルマでディーラーに乗り付けて、高速試乗を頼むことだ。そうすればDS 4の絶妙な乗り心地が理解できると思う。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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