【ルノー キャプチャー 試乗】微妙に良くなった性能は、使い勝手の向上に…中村孝仁

試乗記 輸入車
ルノー キャプチャー インテンス
  • ルノー キャプチャー インテンス
  • ルノー キャプチャー インテンス
  • ルノー キャプチャー インテンス
  • ルノー キャプチャー インテンス
  • ルノー キャプチャー インテンス
  • ルノー キャプチャー インテンス
  • ルノー キャプチャー インテンス
  • ルノー キャプチャー インテンス

ルノーは『ルーテシア』と共に、『キャプチャー』のエンジン性能を引き上げた。ルーテシアはインテリアのデザインも若干変更されているが、キャプチャーの方は変更なしである。

本国ではキャプチャーは売れている。このジャンルでは今やベストセラーカーだそうである。確かに手ごろなサイズでハッチバック車よりも目線が高く運転が楽、それに乗降も楽。さらに少しだけ荷室も広いとなれば、使い勝手がいい。基本サイズは全高を除けばルーテシアとそれほど大きく変わるわけではないから、物理的なスペースの点でも高ささえクリアすれば問題なしだ。とはいえ、日本だと何で4WDがないの?という話にもなるかもしれないが、雪国でない限り十分であろう。

具体的にどのような性能アップがなされたのか。実は性能アップというよりも使い勝手の向上なのである。というのも、最大トルクは従来の190Nmから205Nmへ15Nm引き上げられているが、最高出力の方は逆に120psから118psに引き下げられている。もっと顕著な変更はギア比で、1速を従来の3.916から4.307へ低め、逆に6速は0.702から0.653へと高めた。要は高速巡行で燃費を抑え、街中でのスタートダッシュを軽快にしたということ。ファイナルは先代と同じである。

ご存知の通りベースはルーテシアである。ただ、リアサスペンションは本国で販売される『クリオ・エステート』だったり、ダンパーはキャプチャー専用とされるなど、きめ細かいアジャストが行われている。何故か車両重量は先代から10kg重い1280kgとなったが、性能差がチャラになるほどの重量増ではない。

東京でもおしゃれな街として人気がある代官山のカフェを起点とした試乗会だ。というわけで街中での性能差と首都高を走ったフィーリングだけで、高速走行はしていない。と言っても空いた山手トンネルを前車について走ると結構な速度になって、高速の試乗とあまり変わらなかった。

果たしてどの程度扱い易くなっているかと言われても、先代と直接比較したわけではないから、具体的なことは言えないし、違いも判らなかったが、ルーテシアに関していえば0-100km/hの加速性能が従来型よりも1.2秒も速くなっているというから、これは相当なもの。ルーテシアよりも大人一人分ほど重いキャプチャーでもそれなりに速くなっていることは明白だ。元々、スイスイと軽快な走りを見せるモデルだから、それをさらにブラッシュアップしたということだろう。

先代に試乗した時には、安全面の充実と先進技術の導入が物足りず、アイドリングストップも付かないと書いたら、何とアイドリングストップがついてきた。ただし、シティエマージェンシー的なレーダーやカメラによる前方監視システムは依然としてつかない。商品力を引き上げるという点ではそうした装備の充実は今後欠かせない課題だと思う。しかし、ルノーの魅力はやはりあか抜けたデザインや、微妙な色使いなどで、ただ一言お洒落、という殺し文句がユーザーを落とすカギになっていると思う。そうした点では無難なドイツ車など足元にも及ばない。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★★
インテリア居住性 ★★★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集