JR北海道は4月28日、運転を再開したばかりの留萌本線留萌(北海道留萌市)~増毛(増毛町)間16.7kmについて、鉄道事業の廃止を国土交通大臣に届け出たと発表した。
同社の発表によると、届出上の廃止予定日は2017年4月29日。ただし沿線自治体が廃止に同意していることから、JR北海道は国交相による意見聴取の場で廃止日の繰り上げを陳述する方針だ。これが認められた場合、JR北海道は廃止日を今年12月5日に繰り上げ、12月4日限りで列車の運転を終了するとしている。
留萌本線は、深川~留萌~増毛間66.8kmを結ぶ鉄道路線。このうち海沿いの留萌~増毛間は1921年11月に開業しており、94年以上の歴史を持つ。今年2月に発表された同区間の収支状況(2014年度)によると、1日の平均通過人員(旅客輸送密度)は39人。管理費を含む営業係数(100円の営業利益を得るための営業費用の指数)は4554円に達しており、JR北海道の在来線ではワースト1の赤字路線となっている。
このためJR北海道は2015年8月、沿線自治体の留萌市と増毛町に同区間の廃止計画を提示。その後の協議の結果、今年4月に廃止の同意を得られたことから、今回の届出に至った。
最近は雪どけの時期に雪崩や土砂崩壊の恐れがあっため、長期に渡って運休を余儀なくされるケースが増えていた。今年も2月12日から運休し、4月28日に運転を再開したばかりだった。
留萌~増毛間では1日に上下合わせて6往復半(休日は5往復半)の列車が運行されている。一方、地元バス会社の沿岸バスは、同区間で1日9往復のバスを運行している。