リスナーと双方向の情報提供、安心と安全を実現…モビリティ向けデジタルラジオ「Amanekチャンネル」

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今井武CEOと庄司明弘CMO
  • 今井武CEOと庄司明弘CMO
  • スタジオのナビゲーターは、天気・渋滞情報の写し出されたモニターを確認しながら情報発信を行う
  • 気になるラジオ情報は、カーナビをワンタッチするだけでスマートフォンに転送が可能
  • ラジオ情報をスマートフォンに転送・保存した様子
  • スマートフォンには、渋滞情報や天気情報、音楽情報などを転送・保存することが可能

アマネク・テレマティクスデザインは、日本初となるモビリティ向けデジタルラジオ放送局 「Amanekチャンネル」を開設する。放送開始は、来年の春を予定している。東京モーターショー15にて、同社の今井武CEOと庄司明弘CMOにサービス内容や今後の展望などを聞いた。

◆“安心・安全”を軸とし、”楽しい”情報を発信

「Amanekチャンネル」では、“安心・安全”を軸とし、“楽しい”情報を発信していくことを目指している。同チャンネルは、「災害時に必要な情報を得ることのできなかった被災者がいる」という今井CEOの想いがあり、誕生。「何か起きる前、何か起きた後の両方に対して情報提供を行う」と今井CEOは言う。また、庄司CMOは「普段から楽しいと思ってもらえる放送を提供しなければ、いざというときに重要な情報を聞いてもらえない」と指摘。楽しい放送を提供することにより、人々の安心・安全な社会作りに取り組んでいくとのことだ。

「Amanekチャンネル」は、日本気象協会の中にスタジオが設けられている。スタジオのナビゲーターは、天気情報や渋滞情報の写し出されたモニターを確認しながら随時情報発信を行う。また、TTS(自動音声)による発信も行っていく。天気・渋滞情報といった“安心・安全”に関わる情報に加え、旬のドライブスポットや、流星や夕日が綺麗に見えるエリア情報といった“楽しい”情報を発信していく。放送内容には「まっぷるガイド」のデータを活用するため、リスナーは、周囲の飲食店やレジャー施設、イベントなどの情報も手に入れることができる。

「Amanekチャンネル」の放送は、V-Lowマルチメディア放送を活用し、カーナビに届けられる。これまでのカーナビでも、V-Lowチューナーを取りつけることにより、放送の受信が可能だ。また、スマートフォンに「アマネクアプリ」をインストールしておくことにより、気になるラジオ情報があれば、カーナビをワンタッチするだけでスマートフォンに情報を転送することもでき、あとからじっくりと情報を確認することができる。また、アプリをインストールしておくと、災害や悪天候などの緊急情報がプッシュ機能により通知されるようになるという。

◆リスナーとお互いに情報を提供し合う

現在はたくさんの情報を探索してから遠出をする人が多いが、「Amanekチャンネル」の放送が開始されると、外出後にも容易に情報を取得できるようになる。サービス提供が開始されれば、出かける前に情報を調べる煩わしさが減り、気軽に遠出をする機会が増えそうだ。

配信内容は、リスナーが現在走行している地域だけではなく、リスナーの乗っている車種によっても変えることが可能。一般乗用車向けの他に、タクシー運転手向けやトラック運転手向けのチャンネルを予定しているという。乗客への接客に疲れたり、長距離の運転で疲れたりした場合でも、テンションの上がるような内容を提供していきたいとのことだ。

また、車だけではなく、屋外サイネージに対しても同様の放送を行っていく。現在の屋外サイネージでは設定された広告が決められた間隔や時間ごとに流れているだけであるが、「Amanekチャンネル」では、時間や地域、天候に応じたフレキシブルな内容を発信することが可能。例えば、各サイネージから、地域ごとの天候情報を発信したり、雪が降ってきた場合にチェーンの履き替えをPRしたりすることができる。同社では、車へのラジオ放送に加え、サイネージ広告のスポンサーをビジネスの収益源としていく。なお、サイネージにはV-Lowチューナーを取りつけるとともに、専用のソフトウェアを導入することにより、サイネージへの放送のアップロードを実現させるという。

さらに、従来のラジオにはなかった新しい取り組みも行う。これまでのラジオ放送は一方通行の情報発信であったが、同社では双方向の情報提供を実現させるとしている。具体的には、リスナーがセンシングした道路状況データを吸い上げ、「#amanek」などのハッシュタグを用いて共有し合うことを予定している。「みんなで助け合う」という構想が、この取り組みには込められている。この他、別のハッシュタグを用いて、リスナー自らに周辺の飲食店情報やドライブスポットなどを発信してもらうことも構想している。ラジオ放送者・リスナー間だけではなく、リスナー同士のコミュニケーションも生まれそうだ。

将来的には、グローバル展開も図っていくとのこと。国外旅行においても、旅行者が事前に多くの情報を調べているという現状があるが、将来は、現地で旅行をしながら情報を取得することも可能になりそうだ。逆に、海外から日本に来る旅行客にも同様のサービスを利用してもらうことにより、インバウンドの活性化に繋がることも期待される。

東京モーターショー15では「Amanek チャンネル」のサービスを体験できるほか、11月5日には今井CEOと庄司CMOによる同サービスのカンファレンスが開催される予定だ。

《松木和成》

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