日本自動車工業会の池史彦会長は10月1日に都内で行った記者会見で、独VW(フォルクスワーゲン)の排ガス不正事件について、私見としたうえで「一個社の行為が自動車業界全体に影響を与える。困惑し、失望している」と述べた。
池会長は「歴史もある会社でなぜ、こういうことが起きるのかなと、素朴な疑問を感じる」と、世界の名門大手での不正発生に首をかしげた。そのうえで、日本メーカーでは「そういうことはあり得ないこと」と、語った。
一方で、「日本人の気質は性善説に立つが、企業のガバナンスとしては、性善説が成り立たなくなっているということだろう」と指摘。「企業が大きくなればなるほど、牽制のきくシステムを導入しなければならない」とし、事件は日本企業にも教訓を与えているとの見方を示した。