路面の乾き具合の進み方という面で、通常の走行ライン側であるグリッド奇数列(アウト側)に有利な状況でのスタートとなったことも確かだが、ポールポジションの石浦(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)はしっかり先頭を守ってスタート。すると石浦は、予選5位からの好ダッシュで早々に2番手へと上がってきた中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)との差を次第に開いていく。
「スタートしてから後ろを離せたので(中盤までは)ひとりでレースしているような感覚でした。岡山(初優勝した第2戦)の時とは違いましたね」。初優勝も同じくポール・トゥ・ウインだったが、当時は終盤まで小林可夢偉(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)とのテール・トゥ・ノーズ状態だった。今回はレース中盤までに一貴に約9秒の差をつける快走で、ほぼ完全にレースの主導権を握ったままの勝利である。「自分のキャリアのなかでも、これほど順調なレースは初めてです」と振り返るくらいの“横綱相撲”だった。
終盤、ほぼ完敗のなかにも今後のレースに向けて大きいと思われる見事なスパートを見せ、石浦との差を詰めた一貴が2位。そして3位にはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 LENOVO TEAM IMPUL/トヨタ)、4位にアンドレ・ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)が続き、チャンピオン争いは、どうやら今回の決勝上位4人に絞られてきた感がある。現状は石浦32点、オリベイラ25点、一貴24点、ロッテラー20点。チャンピオン経験者3人の石浦追撃にも今後は要注目だ。
今回のレースはトヨタ勢の1-2-3-4フィニッシュで、5位の中嶋大祐(#64 NAKAJIMA RACING)がホンダ勢最上位(大祐は一貴の弟)。予選2位だった野尻智紀(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)は1周目に3つポジションを落としてしまい、最終的に6位だった。7位は平川亮(#7 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)、8位は山本尚貴(#16 TEAM 無限/ホンダ)。