【ジャガー XE 試乗】ドイツ御三家のライバルとなり得るのか…中村孝仁

試乗記 輸入車

ジャガー XE 2.0プレステージ
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『Xタイプ』以来途絶えていたジャガーのDセグメントセダンが、『XE』の名で日本デビューを果たした。従来のXタイプと違い、ホンモノのジャガーを感じさせる要素を備えている。

ホンモノのジャガーの要素とは? 先代Xタイプは正直借り物のプラットフォームに借り物のエンジンだったから、ジャガーを印象付けたのはそのスタイルと、格式たっぷりのインテリアだけだった。それが今回のXEは、上級の『XF』や『XJ』のデザインを彷彿させ、しかもその骨格はジャガー初となるモジュラープラットフォーム(次期XFと共通)にアルミの外皮をボンドとリベットを用いて留める、近年ジャガーが用いる手法によって作り上げたもので、継子扱いだった先代とは大違いである。

ただ、まだエンジンに関しては、V6を除いて旧親会社であるフォードの影響下にあり、基本的にはフォードが今も使っているエコブーストエンジンを、ジャガーの手によってチューニングしたものである。

ボディは比較的大柄である。全長こそライバルの御三家(メルセデス、BMW、アウディ)と比較してコンパクトなBMWを除けば他より短いが、全幅はこれまで最大だったアウディ『A4』より25mm大きく、BMW『3シリーズ』と比較した場合50mmも大きな1850mmとなる。全高はジャガーらしくライバルの中では最も低い。そんなディメンションを持っているから室内空間は十分に広く、後席もヘッドルーム、レッグスペースともに十分だ。

今回試乗車としてチョイスしたのは中間グレードの「プレステージ」。現在のラインナップは4種類で、下から「XE 2.0ピュア」、そして試乗車の「XE 2.0プレステージ」、上級モデルとなる「XE 2.5ポートフォリオ」、それに別格の存在ともいえる「XE 3.0S」という布陣。

このうち3.0SにはV6スーパーチャージャーユニットが載せられるが、他は直4ターボエンジン。因みにXE 2.5ポートフォリオは2.5という名前こそ持つものの、実態はプレステージやピュア同様2リットルのターボエンジンだ。ただし、パフォーマンスは差別化されていて、ピュアとプレステージが200ps、320Nmであるのに対し、ポートフォリオは240ps、340Nmである。

また、今後について話をすると、ジャガーは年内に自社開発の新エンジン、インジニウムと名付けられたディーゼルを日本市場に導入する。さらにこのインジニウムユニット、ガソリン仕様も用意されていて、いつになるかは不明であるが、いずれは現在のエコブーストユニットからこのインジニウムに載せ換えられることになっているから、正真正銘のXEが誕生するのはこのエンジンが載ってからと言っても良いかもしれない。

さて、そんな前置きはともかく、XEの出来はやはり期待を裏切らないものだ。元々ハンドリングと快適な乗り心地に定評のあったジャガーだけに、この二つの要素はそのDNAとしてしっかりとXEに受け継がれている。

ただし、こうした諸性能はライバル御三家も凄まじい勢いで改善されてきており、かつてはスポーティーさならBMW、快適さならメルセデスといった不文律が無くなりつつある。つまりジャガーが不在をしていた6年間で他のライバルはすべての面で凄まじい向上を果たしているから、ジャガーのハンドリングと快適な乗り心地が必ずしも頂点かといえば、実はそんなことはなかった。

個人的印象としては絶対的快適さではメルセデスCクラスが上。ハンドリングではBMWがまだ上というものだ。ただ、そんな中でアルミを多用したボディ/シャシーの仕上がり感や50:50という絶妙なバランスを持っている点などは、今後熟成が進めば真価を発揮する部分であるように思えた。インジニウムエンジンを含め、XEはまだ発展途上にあるクルマ。今後まだまだ進化するという印象が強いのである。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★★
おすすめ度 ★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来37年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。
《中村 孝仁》

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