【ベントレー コンチネンタル GT 試乗】アクセルを踏んだ瞬間にイメージできる、W12のパフォーマンス…山崎元裕

試乗記 輸入車
ベントレー・コンチネンタルGT(2016年モデル)
  • ベントレー・コンチネンタルGT(2016年モデル)
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2011年に誕生した、セカンド・ジェネレーションのベントレー『コンチネンタルGT』に、マイナーチェンジが実施された。

新デザインのフロントバンパーや、ややコンパクトなサイズとなったフロントグリル、あるいはフロントフェンダーのベントに、これもわずかにデザインを変更したトランクリッド等々は、このマイナーチェンジ版コンチネンタルGTのエクステリアでの特徴。

同様にインテリアでも、セレクターレバーやパドルシフトなどが、より高級感のあるデザイン、素材へと変更されていることが分かる。日本仕様には装備されない可能性が高いが、4台のデバイスを同時に接続することが可能なWi-Fiシステムが搭載されたことも、大きな話題といえる。

新型コンチネンタルGTのラインナップは、6リットルのW型12気筒ツインターボエンジンを搭載する「GT」と「GTスピード」。さらに4リットルのV型8気筒ツインターボエンジンの「GT V8」と「GT V8S」で構成されている。いずれのモデルにもクーペとコンバーチブルの両ボディーが用意されるから、全8モデルがそのラインナップの全容ということになる。

その中で、今回のマイナーチェンジで最も変化が激しいのは、W12エンジンがさらに15ps強化され、590psとされたほか、低負荷時には6気筒を休止する、いわゆる気筒休止システムも採用されたGTだ。ドライブは、まずそのクーペボディをチョイスして試乗をスタートした。

最高出力が15psアップしたW12エンジンのパフォーマンスは、アクセルペダルを軽く踏み込んだ瞬間から、それをイメージすることが可能だった。常にスムーズなアップシフト、ダウンシフトを繰り返す8速AT、そしてフルタイム4WDの駆動方式が生み出す、シームレスで圧倒的なスタビリティを伴う加速は、このモデルの大きな魅力だ。最大トルクの720Nmは、わずか1700rpmで発揮されるから、どのようなシチュエーションからでも、アクセルペダルをさらに踏み込めば、瞬時にその加速体勢は整うのが嬉しい。2320kgというウェイトがハンデとなることもない。

ベントレーからは、あえてそれを確認したいのならば、エグゾーストノートの変化を意識するのがよいと説明されていたが、実際に気筒休止の制御を、走りの中で感じることは不可能に近かった。VW車ならば、メーターパネルの中に気筒休止のインジケータが備わるから、それで制御を確認することもできるのだが、ベントレーはそれさえも嫌う。長期間にわたってそれを所有する中で、結果として5%ほどの燃費向上が果たされていることを確認してもらえればよいというスタンスだ。

ノルウェーで行われた今回の試乗会では、そのルートのほとんどは、ダイナミックなフィヨルドの景色を味わいながら走る、ワインディングロードだった。サスペンションは4段階にそのセッティングを変更できるが、最もハードなセッティングを選択しても、圧倒的なボディー剛性、そしてサスペンション剛性が、節度のある乗り心地を演出してくれるのが印象的だった。

ハンドリングと乗り心地のバランスに優れるのは、それより1段階ソフトな設定だろうか。ただしシチュエーションに応じて、このふたつのモードを使い分けたいと思っても、そのためにはスイッチとタッチパネル両方の操作が必要。操作性には残念ながら改善の必要があるようだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

山崎元裕|モーター・ジャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
1963年新潟市生まれ、青山学院大学理工学部機械工学科卒業。少年期にスーパーカーブームの洗礼を受け、大学で機械工学を学ぶことを決意。自動車雑誌編 集部を経て、モーター・ジャーナリストとして独立する。現在でも、最も熱くなれるのは、スーパーカー&プレミアムカーの世界。それらのニューモデルが誕生 するモーターショーという場所は、必ず自分自身で取材したいという徹底したポリシーを持つ。

《山崎 元裕》

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