『エクシーガ』に比べてほんの少し大きくなった『クロスオーバー7』。エクシーガがミニバンという位置づけであったが、クロスオーバー7は7シーターSUVという位置づけ。最低地上高は170mmと高めの設定として、クロスカントリー性を確保している。今回のインプレッションは高速道路をメインにした長距離移動。東京から中央高速を使って愛知県への往復。片道およそ300km弱の行程だ。まずはACCを使っての走行を試す。アイサイトのカメラを使って先行車との距離を測りながら進むスバルのACCは、かなり使いやすいタイプだ。速度を100km/hにセットすれば、あとはほぼクルマまかせ。先行車が100km/h以下で走っていれば、適度な距離保って追走してくれる。ただし、先行車のペースが落ちると、けっこう近くまで近づいて行ってきつめの減速。右にウインカーを出して追い越し車線に移動すると、今度はけっこうがんばって設定速度まで加速する。減速も加速も強めだ。この強めの加減速のせいだろうか? 意外なほど燃費が伸びなかった。ACCまかせで走った約250kmの燃費は12km/リットル台であった。ACCでの走行はコーナーに進入する際も一切荷重移動が行われないため、高速道路でもコーナーが連続するようなシチュエーションだと運転がしづらい。そこでACCをオフにして走行したところ、燃費が伸び始めた。およそ320kmを走った状況での燃費は13.9km/リットル。JC08モード燃費の13.2km/リットルをかろうじて超えることができた。この後、一般道を80km程度走ったが、その際の燃費は10.0km/リットルであった。どうもフィーリング的にACCでのドライブよりも、自分で操作したほうが燃費がよさそうな印象だったため、帰りの高速道路は全行程をACCオフで走った。結果、約260km走って燃費は15.3km/リットルとなった。ACCでの走行は先行車に追いついて減速、追い越して加速という走行パターンだが、人間がコントロールすると先行車だけでなく、さまざまな道路状況を考えながら減速する、また加速についても先行車だけでなく前方の交通状況に合わせた加速をするので、燃費を向上できるのだろう。もちろん、ACCオフでも急減速や急加速を繰り返したら、燃費は悪化する。高速走行では静粛性が高く、ゆったりしたドライビングフィールを味わえる。基本的にはフラットでクルマ側からのインフォメーションも明確。運転がしやすいタイプのクルマだ。ただ、路面が連続してうねっているような場合は、ダンピングが追いつかないことがあるのが少し残念。ワインディングではボディの大きさをさほど感じさせない機敏な動きを示してくれる。今回はコーナーを攻めるというような運転はしなかったが、ステアリング操作に対するクルマの動きは正確だ。セカンドシートは広めで足元もゆったりとしているが、サードシートはかなりきつめな空間。エマージェンシーシート的な考え方を持っていたほうがいいだろう。■5つ星評価パッケージング:★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★諸星陽一|モータージャーナリスト自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。
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