【トヨタ MIRAI 試乗】見事なほどに高いレベルの“普通”を実現したセダン…諸星陽一

試乗記 国産車
トヨタ MIRAI
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いまさら言うまでもないが、トヨタの『MIRAI(ミライ)』は水素を燃料として発電、電気エネルギーを得て走行する燃料電池車。一般ユーザーにも販売する燃料電池車としては世界初のクルマとなる。

乗った印象はじつに普通。これは褒め言葉だ。セダンである以上、まず第一に求められる性能は普通の性能と言える。ただ、その普通の性能は見事なほどに高いレベルに達している。ミライは水素を充填して、その水素で電気を作り、モーターを駆動する燃料電池車だ。自分で電気を作っていることを除けば、ミライは電気自動車となんら変わりない。エンジン車のような振動や排気音などは一切ない。静粛性などの面では、ライバルを圧倒するだけの高性能を誇る。

搭載するモーターの最高出力は154馬力。最大トルクは335Nm。停止状態からのフル加速はモーターの特性を生かして非常に力強く、交通の流れをリードできる。まわりのクルマからしてみれば、音もなく加速していくミライの姿はかなり異様なものに映るだろう。

高速道路の巡航時は、どっしりと落ち着き、フラット感にあふれる乗り味を示す。高速コーナリングではロール感こそあるものの、安定性はかなり高いレベル。回り込むようなタイトなコーナーもガシッと路面をつかんで走り抜ける。ビックリするくらいにシャシー性能は高く、スポーツセダンのような印象。流して走ったときの普通の印象とは異なる奥深い性能が見え隠れする。

今回の試乗では水素ステーションまで移動し、実際に水素を充填するという体験が含まれていた。水素の充填についてはフルサービスのガソリンスタンドと何ら変わりはない。スタンドのスタッフが充填口にホースを差し込むところから抜くところまですべてを行ってくれる。というか、免許の関係でセルフサービスは不可能だという。面白いのは満タンになったからといってすぐにホースを抜けないところ。ホースに残っている水素の圧力が下がってからでないと抜くことができないのだ。

現在のところ水素の価格は1kgで1000~1100円といったところ。1kgあたり1000円で満タン4300円。航続距離は650kmが可能だという。執筆時のガソリン価格はe燃費調べで約130円なので、4300円だと約33リットルが給油できる。33リットルで650kmを走れるとすると、およそ20km/リットルのガソリン車と同じというランニングコストだ。

ミライの車両本体価格は723.6万円。しかし国の補助金が約200万円、東京都の場合は都の補助金が約100万円交付される。つまり約420万円で購入可能。最新のものを味わいたいという方には、願ったり叶ったりの状況。あとは水素スタンドの数が増えれば、さらにミライの魅力は増すことになる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★


諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。
《諸星陽一》

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