気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年3月17日付
●日産ベア5000円(読売・1面)
●電池部材で合従連衡、リチウムイオン、国内メーカー海外勢とも(読売・10面)
●ガソリン車値上げの春、エコカー減税基準見直し直撃(朝日・7面)
●トヨタ、ベア月4000円で決着、下請け賃上げの兆し(朝日・8面)
●三菱電機社員ら4.6億円着服か、新幹線予約システム保守で架空発注(朝日・39面)
●パトカー津波の記憶(産経・3面)
●TPP合意めど立たず、難航分野一進一退(産経・11面)
●経済界五輪サポート、経団連など3団体が協議会(東京・6面)
●日産・VW、相次ぎ謝罪、中国メディア批判受け(日経・9面)
●デンソー、ベア3000円、一時金も満額回答(日経・13面)
●英工場で北米向け小型車、ホンダ、稼働率を向上販売増へ欧州にSUV(日経・15面)
ひとくちコメント
2015年春闘はあす(18日)の集中回答を前に労使間の交渉が大詰めを迎えているが、注目企業のベースアップ(ベア)をいち早く伝えるメディアの報道合戦も過熱している。
自動車業界ではリード役のトヨタ自動車がすでにベアに相当する「賃金改善分」を過去最高水準の月額4000円とすることで事実上決着しているが、きょうの読売、日経によると、日産自動車がベアを月額平均で5000円とすることで合意したと報じている。
日産のベア要求は6000円で満額ではないが、5000円の回答は昨年の3500円を大幅に上回ることになる。また、ボーナス(一時金)についても労働組合側が要求している満額の5.7か月分を回答するという。
一方で、トヨタ、日産以外の自動車メーカーはどうなるのか。毎日によると、ホンダはボーナスについて要求の5.9カ月で満額回答する方針だが、6000円を要求しているベアの協議については「難航している」と伝えている。
その理由として「大量リコールの影響で、15年3月期は営業減益になる見込み。経営側は大幅なベアに難色を示しており、3000円前後の駆け引きが続いている」そうだ。
また、自動車部品メーカーでも「デンソーが月3000円で事実上決着」(日経)。朝日は「トヨタ、ベア月4000円で決着、下請け賃上げの兆し」と名古屋市内のトヨタ系の部品会社の声をレポート。
泣いても笑っても労使交渉は今夜限り。読売は「賃上げの水準や広がりが焦点となった2015年の春闘は、相場づくりをリードする大手自動車や電機でベアが前年実績を大幅に上回る水準で妥結する見通し」としながら「デフレの脱却に向けて、経済の好循環が強まるかどうかが注目される」と問いかけている。