マイナーチェンジは、目先を変えるためにちょこっと手を加えた小さな起爆剤のようなものが多い。ただ、新型『ヴィッツ』は、乗り心地の根本的なところに手を加えてきた。いじったのは、ボディをつなぎ合わせる溶接部分。スポット溶接の数を多くしたというのだけれど、これがとんでもなく乗り心地に貢献しているのだ。そもそもスポット溶接なんて、表からは見えない世界。やらなくてもわからない世界である(暴言失礼)。でも、トヨタとしては、欧州で売る以上、足回りに響いてくるボディ剛性は、ちゃんとやらないとだめだと反省したということらしい。スポット溶接だけで、そんなに乗り心地が変わるのかと言われそうだが、答えは「変わる」である。後ろ足が安定して、コーナリングはもちろん、まっすぐの道を走っていても安定するし、街中でゆっくり流しているときもばたばた感がない。結果、安心&疲れないのである。もっとこれ、声高に宣伝してもいいと思うんですけれど。マイナーチェンジと同時に標準で採用されたアイドリングストップは、高速7割、都内3割で走ったところ、100kmの走行で0.3リットルもの節約に。それって、ワンタンク走れば1リットル以上ガソリンを使わずにすむということで、脳内でちゃりんと100円玉が重なる音がしてほくほく喜ぶのは私だけではあるまい。個人的には、助手席シート座面の前に設けられる買い物アシストシートがお気に入り。雑なブレーキで、シートの上に置いた荷物が転がり落ちないように堤防になってくれるもので、トートバッグを愛用し、中身をばらまいちゃうドライバーのひとりとしてはオススメなのである。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★パワーソース:★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材中するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。
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