【トヨタ プロボックス 試乗】ファミリーユーザーにも薦めたくなる…青山尚暉

試乗記 国産車
トヨタプロボックスF
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トヨタのビジネスカー、『プロボックス』の上級グレード、1.5リットルエンジンを積む「F」に試乗した。なんでもそうだが、期待値を超えた仕上がりだと、なんだかうれしくなる。プロボックスもまさにそんな1台だったのである。

今ではワゴンタイプがなく、バンタイプのみになったしまったが、最上級のFならベースグレードに対してシート表皮がいっちょ前のファブリックになり(後席も)、ヒーターコントロールリングにメッキ加飾が施され、ホイールにカバーが取り付けられ、荷室にカーペットが敷かれる。だから、ごくフツーのワゴンに乗っている気分になれる。

1.5リットルエンジンとCVTを組み合わせた走りは、思いのほかまったりスムーズで気持ちがいい。動力性能も十二分。さすがにバンゆえ荷物の積載に配慮したサスペンションだから、段差越えなどではガツンというショックを伴う場面があるにはあるが、155/80R14サイズのタイヤは良路であればファミリーワゴンとして許容できるすっきりした乗り心地を示してくれるから驚きだ。

細いタイヤだからカーブなどで不安定になるのでは? という心配も杞憂(きゆう)に終わる。ちゃんとしっかり曲がり、安定感は想像以上。まったくフツーなのである。気になるとしたら、コスト重視で遮音材、吸音材が十分とは言えず、一般的なワゴンより静粛性で劣ることぐらいだろうか。モード燃費も18.2km/リットルと立派である。

『サクシード』もそうだが、インパネ回りの引き出し式テーブル、紙パックが入るボトルホルダー、わざわざ鍵付きのボックス内にあるETC車載器、ビジネスバッグやトートバッグなどが置けるセンタートレー、携帯電話ホルダー、OPとはいえ1万1880円で手に入る、スマホなどの充電に役立つ100V/100Wコンセントなど、装備、使い勝手は実に素晴らしい。

ベースグレードだといかにも商用車っぽい塩化ビニール張りになる後席も、Fグレードではちゃんとしたファブリックシートとなり、掛け心地もふんわりしてマシになる。短時間なら大人が座っても不満なしのシートなのである。

それで価格は158万円ちょっと。おいおい、上級軽自動車と変わらないのかよ!と突っ込みだくなるほどお値打ちだ。ホワイトやシルバーだといかにも商用バン、働くクルマのイメージだが、試乗車のライトグリーンや、ブラックマイカ、ダークブルーのボディーカラーでちょいとドレスアップしてやれば立派なステーションワゴンに変身可能(プロボックスを扱うカスタムショップも多い)。荷室の開口部地上高は57cmと低めだから、荷物の積載はもちろん、犬を乗せるにしても楽々快適だろう。

プロボックスに日々乗っているビジネスユーザーは、この最新モデルならかなり恵まれている…そんな印象さえ受けるのだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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