【ホンダ N-BOXスラッシュ 試乗】ターボにもカラードディッシュホイールを!…青山尚暉

試乗記 国産車
ホンダ N BOX スラッシュ
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今では個性的な軽自動車など山ほどあるけれど、大人の感性にこれほどまで訴えてくるモデルはそうはない!

それが、N-BOXのルーフをぶった切り、アメリカンテイストを漂わせた全高がN-BOXより110mm低いチョップトップモデル、N-BOXスラッシュだ。

もし、その3ドアにも見える超個性的なスタイリング、デザイナーズカーを思わせるホット&クールなインテリア、コンセプトにほれて、長距離走行も楽々こなせる一家に1台のファーストカーとして乗るなら、ターボモデルがベターだ。

Xターボパッケージの運転席に着座すれば、天地方向で100mmほど狭めたフロントウインドーの視界は、不思議と安心感あるもので、余計な景色(情報)が遮られるぶん、運転のしやすさを実感できたりする。

ところで、N-BOXの乗り心地は正直言って硬い。重心が高く、転倒防止のためサスペンションを固めざるを得なかったからだ。

しかしN-BOXスラッシュは重心高がトータル40mmも下がったため、サスペンションをむやみに固める必要がなく、なおかつ乗り心地にこだわった大径のリヤダンパーをおごったことで15インチタイヤを履くターボモデルでも、軽自動車最上級と言える上質で快適な乗り心地を実現していたのだ。

とにかく走りだしからウルトラスムーズかつトルキーに加速する。動力性能は長距離、長時間の高速走行でも不満のない実力。それこそ軽自動車とは思えない走りの質感、低重心がもたらす安定感の高さ、フットワークの良さに思わず感動である。実際、1.5リットルクラスのコンパクトカーといっしょに走っても、こと加速力に関してストレスを感じることはほとんどなかったのだ。

ただ、パワフルなぶん、全グレード標準のパワステのアシスト量(軽さ)を切り替えられるモード切り替えステアリングは、急ぎ足になるとノーマルポジションでも軽すぎる印象だ(NAモデルより)。まさか50~60年代のアメ車を意識したわけじゃないだろうけど…。

もちろん、個性派軽として選ぶなら、カリフォルニアダイナー、ハワイグライド、テネシーセッションスタイルから選べる超オシャレなインテリアカラーパッケージがお薦めだ。

が、ここでひとつ問題が。NAのXグレードを選べば、インテリアカラーパッケージにジャストな、アメリカンレトロなカラードディッシュホイール(スチール)が装着されるのだが、それ以外のグレード、特にこのXターボパッケージだと今風の、N-BOXカスタムと同じフツーのアルミホイールになってしまうのが惜しい。

ターボモデルは15インチのアルミホイールじゃないとダメなのか・・・と言えばそうでもない。GターボAパッケージは14インチのスチールホイールではないか。

うーん、ここからが悩ましいのだが、走りの余裕で選びたい大人なターボモデル+インテリアカラーパッケージではどうにもカラードディッシュホイール(スチール)を組み合わせられない仕組み。もしボクがターボモデルを買うとすれば、別途カラードディッシュホイール(スチール)を4本注文し、元のホイールはスタッドレス用にすると思う。そこまでホイールデザインにこだわりたいのがN-BOXスラッシュでもある。

ディーラーに足を運んだら、「X以外でもカラードディッシュホイール(スチール)を組み合わせられるようにしてほしい!と進言していただきたい。ユーザーの声が大きければ、そうした組み合わせができるようになる可能性大だから(ボクも開発陣に進言済み)。

ここでひとつ耳寄り情報を。車内の静粛性がより優れているのはXグレード(NAおよびターボ)である。差別化がはかられているのは、N-BOXスラッシュの大きな特徴である、アメリカンサウンドを基本としたオーディオにこだわりまくった「サウンドマッピングシステム」搭載車だから。よりいい音をいいシステムで聴かせたいという開発陣の思いから、吸音、遮音材などが、他グレードに増しておごられているという(たしかにより静かである)。

システムは、まずフロント側から30cmウーハー並みの重低音を聴かせる17cm、4.7リットルのバックロードホーン型サブウーファーをインパネ下部に設置。ケブラーコーンスピーカーやアルミドームツイーターなど8スピーカー+サブウーファーを7チャンネル、360Wのアンプで駆動する・・・というかなり本格的なものだ。

そのサウンドを際立たせるためのデッドニングを施す制振・吸音材「ピュアサウンドブース」までOP設定しているのだからやってくれます。

実際に懐かしいAORのCDを試聴してみたが、音量をやや大きめにして、イコライザーで低域、高域を1~2目盛り持ち上げると締まった低音がしっかりと鳴り、中高音とのバランス、分離も見事だった(ドンシャリではない)。後席だと耳のすぐ横のCピラーにスピーカーがあるのが難点だが、基本、前席で聴く前提のスピーカーレイアウトだという。

176万円のXターボパッケージにインテリアカラーパッケージとピュアサウンドブースを注文するといったいいくらになるのか? それはともかく、N BOXスラッシュは走るアメリカンサウンドボックスにもなりうる発展性、音楽好きにも応える大いなる楽しみを備えているということだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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