【トヨタ サクシード 試乗】CVTの滑らかさ、すっきりしたステアリングに好感…松下宏

試乗記 国産車
トヨタ サクシード
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2002年の発売以来、長期にわたって安定した売れ行きを続けているライトバンが『プロボックス / サクシード』。12年目にして初めてのマイナーチェンジを受けた。

環境基準に対応して燃費を向上させることや最新の安全基準に対応することなどが目的で、それに合わせて室内の使い勝手を大きく向上させている。

今回の改良では新しいパワートレーンが搭載され、それに合わせてプラットホームが変更された。といってもマイナーチェンジなので全面的な更新ではなく、CVTの搭載などに合わせてフロント側を現行『ヴィッツ』系のものにした。

リヤ側に関してはこれまでのプロボックス/サクシード専用の仕様が継続されている。またアッパーボディに関しては、歩行者保護の対応のために変更した部分はあるが、基本的に変える必要はないということで、大きな変更は受けていない。

搭載エンジンは1.3リットルがヴィッツなどに搭載される1NR-FE型で、1.5リットルは既存の1NZ-FE型を改良している。いずれも吸排気の両側に可変バルブタイミング機構のVVT-iを備え、更にスーパーCVT-iと組み合わせることで低燃費を実現した。

試乗したのは1.5リットルエンジンを搭載する「UL-X」で、自然なフィールの走りに不満は感じなかった。燃費向上のために採用したCVTが実用本位で考えたときにネガになるのでは、との懸念もあったが、実際の走りはCVTの滑らかさに好感が持て、ネガティブな印象はなかった。

シャシー系はパワーステアリングが車速感応型の電動式になり、一定の容量のあるアシストモーターが採用されたことで、フリクションのないすっきりしたステアリングフィールを実現していた。これも好感が持てる部分である。

室内の装備については、運転席から手の届くところにビジネスシーンに必要なものを収納できるスペースを確保し、徹底して使い勝手を高めている。

1リットルの紙パック飲料も収納可能なセンタートレイ(ドリンクホルダー+照明付き)を始め、A4サイズのノートパソコンや弁当が置ける大型のインパネテーブル、スマートフォンなど情報機器の収納場所として活用できるマルチホルダーなどをセンタークラスターに集約した。

パーキングブレーキを足踏み式にしたことであいた運転席のすぐ横のセンターコンソール部分には、ビジネスバッグが置けるトレイ(カップホルダー付き)を設置した。

安全性に関しては、歩行者障害の緩和や横滑り防止装置のVSC&TRC、ヒルスタートアシスト、緊急ブレーキシグナルを全車に標準装備した。また全車のフロントブレーキを大径化して制動力を高めている。

試乗したUX-Lの価格は150万円台前半。トヨタ車では1.0リットルエンジンを搭載する『パッソ』が最も安いクルマだが、ラインナップで見ると1.3リットルや1.5リットルエンジンを搭載しながらパッソとオーバーラップする価格が設定されている。

今回の改良でワゴンがなくなったので、法人ユースに徹底したクルマとの印象が強まったが、実用本位のビジネスユースでは引き続き高く評価されるだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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