ダイハツ工業は12月12日、主力の軽乗用車『ムーヴ』を全面改良し発売した。製品企画を担当する上田亨執行役員は「今回の改良では小型車同様レベルの基本性能を目指した」と語る。
上田執行役員は「モデルチェンジに先立ち、これまでの軽自動車に何が足りてなったのか、お客様の声を徹底してヒアリングした結果、基本性能のご要望が多く寄せられた」と明かした上で、「市場環境を見ても近年は輸入車を含め高い基本性能を実現した小型車が存在感を増しており、(基本性能を)重点的に強化する必要があると考えた」と開発の経緯を振り返る。
このため「ボディ骨格構造を刷新することで、基本性能を大幅に向上させた」という。具体的には「新骨格はサイドアウター全面に厚板ハイテン材を用いることで、外板樹脂化なども含めてボディ全体で20kgの軽量化を実現した。その上で軽量化分を原資として基本性能を高めるため最適な補強を行い、高剛性化を実現した」と説明。
さらに「ボディ以外ではフラットな乗り心地を目指して足回りを改良したほか、ストレスのない加速を実現するパワーモードをステアリングで操作できる機構を新たに採用した」としている。この新機構は「D assist」と名付けられステアリングにあるスイッチでパワーモードを選択するとエンジンとCVTのプログラムが切り替わってアクセル操作に対する反応が向上し、出足の加速時や登坂時にストレスのない加速が可能になるというもので、全車に標準装備されている。