5日、トヨタから「12月10~11日のスーパーフォーミュラ(SF)岡山テストにて、小林可夢偉の試乗が決定」との報がリリース発表された。
今季は2シーズンぶりにF1に復帰した可夢偉だったが、所属したケータハム・チームが戦力・体制の両面でガタガタの状態にあり、満足な成績を残せないばかりか、欠場やリタイア勧告を受けたと思われるレースもあるなど、苦闘した(チーム全体の欠場もあった)。残念ながら来季のF1実戦シート確保は難しい状況にあるなか、いろいろな可能性を模索する動きの一環としてのSFテスト参加だと思われる。
小林可夢偉のコメント(リリースより)
「来年に関してはまだ何も決まっていない状況ですが、今回、このような機会をいただいて嬉しく思っています。SF14(現在のSF参戦ワンメイクマシン)はとてもすばらしいレースカ-だと聞いているので、久しぶりの国内サーキットでの2日間のテストを存分に楽しみたいと思います」
F1昇格前から海外を主戦場としていた可夢偉(現在28歳)には、F3以上のレベルの国内主軸シリーズ参戦歴がなく、もし来季のSF参戦が実現すれば大きな話題となる。
可夢偉に関しては、来季からマクラーレンへのパワーユニット供給メーカーとしてF1に復帰するホンダ陣営入りして将来のF1実戦シート獲得につなげる、という道も考えられる状況だけに、今回のSF岡山テスト参加が古巣トヨタからの発表となっている点も注目されるところ。ただ、あくまで「試乗」なので、これをもってホンダ系での彼の将来という選択肢の可能性が狭まったと見るのは早計だろう。前記したように、今回のSFテスト参加は来季に向けての方向性を探る動きの一環であり、現段階で何らかの決定を意味するものではない。
今回のテストでの試乗チームは明らかにされていないが、1日にSFのシリーズ運営団体JRPが発表したエントリーリストによれば、トヨタエンジン搭載チームではインパルとチームルマンのドライバーが「TBN(後日決定)」となっている(他のトヨタ勢ではKONDOとKCMGが参加、またトヨタのメーカーテストカーも出走=14年王者の中嶋一貴が搭乗予定)。
今回のSF岡山テストはルーキーテストおよびエンジンメーカー開発テストであり、10~11日の両日、午前・午後各2時間の走行セッションが予定されている。佐藤琢磨がホンダのメーカーテストカーに搭乗予定であり、可夢偉、一貴、琢磨と、最近の日本人F1レギュラー経験ドライバーが勢揃いする豪華なテストとなった。