【レクサス RC F 試乗】安全とハイレベルな走りの両立こそブランドに必要…石川真禧照

試乗記 国産車
レクサス RC F
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レクサス『RC』と同時に発表、発売された『RC F』は、生産中止になった『IS F』の代わりにレクサスに加わった高性能モデル。その開発はRCとはまったく別もので、開発チームも責任者も別の人たちだった。

パワーユニットは5.0リットルのV8。自然給気で477ps、530Nmを発生する。メルセデスベンツの『AMG63』やBMWの『M4』、アウディ『RS6』とも対等に渡りあえる数値に達している。

性能だけでなく、車両本体価格もノーマルで953万円、カーボンエクステリアパッケージで1030万円になる。

さっそく動力性能をチェック。8速ATをDレンジにシフトし、スタート。7000rpmまでストレスなく上昇し、シフトアップ。0-100km/h加速は5秒台で走り切った。クーペクラスの世界でもトップレベルの性能だ。とても一般道で、その性能を確かめることはできない。

ということで大分にあるオートポリスサーキットで試乗した。 

ここに用意されていたRC Fは2タイプの駆動系装備を備えていた。1台はノーマルのトルセンLSD(リミテッドスリップデフ)付。もう1台にはTVDというコーナリング中に駆動力を制御するシステムを搭載していた。これはFR車で世界初のシステムという。

初めにノーマル車から。こちらはあり余るトルクで高速コーナー、タイトコーナーでは微妙なアクセルワークが必要になる。スポーツ走行している、という気分(とスリル)は存分に味わえる。

そして、TVD付。スタンダード/スラローム/サーキットというモードが選べ、それぞれの走行に最適の制御をしてくれるという。もちろんサーキットモードを選択。これが実に、素晴らしいコントロール性を実現しているのだ。操舵力も適度に重いが、素直なハンドリング。こんなに上手だったっけ? という感じでサーキット走行を楽しめるのだ。

そこで思ったのは、レクサスブランドならむしろ、このTVDを標準仕様にして、トルセンデフは、スパルタンな走りを楽しむマニア向けのレスオプションにしたほうが、良いのではないだろうか。安全に、ハイレベルの走りを楽しめるスポーツモデル。でも高額。これこそレクサスがブランドを確立するのに必要なことなのではないだろうか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

石川真禧照│自動車生活探検家
日刊自動車新聞社を経て1971年からフリーの自動車評論家。1982年、I.W.オフィースを設立、自動車を中心としたメディア活動を開始する。自動車を生活の道具として捉える評論を得意とし、「自動車生活探検家」を名乗る。

《石川真禧照》

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