スズキの鈴木修会長兼社長は11月6日に都内で開いた決算発表会見で、国内軽自動車販売の首位争いについて「今日に始まったものでなく、ダイハツさんとは20年から30年トップ争いをやっている」と語った。
今年1-10月の軽自動車販売シェアは、スズキが僅差でダイハツをリードし、9月までの順位を逆転させた。一方でここ数年でのホンダや日産自動車の本格参入もあって、販売競争は激化。業界内では販売店による自社登録(届け出)が急増しているとの指摘もある。
鈴木会長は「ここ8年くらいウチが2位に甘んじている」としたうえで、「企業の発展に競争は必要だし、永遠に続く。死に物狂いでやっているわけだから」と述べた。ダイハツがトップに立った当時、鈴木会長は「当社は、お行儀のよい売り方をしていく」と、収益重視ともとれる発言をしていた。
だが、この局面では「競争」を全面に打ち出す姿勢が目立つ。スズキは14年の初めに投入したSUVの『ハスラー』が大ヒットしており、長年の経験から「攻め時は今」といった、業界最長老の“勝負カン”のようなものも伝わってくる。