ヘンケルは、ウレタン系マトリックス樹脂「ロックタイトマックス2」を使ったコンポジット製リーフスプリングが、ボルボのSUV新型『XC90』に採用されたと発表した。
リアアクスルを一新しコンポジットリーフスプリングを搭載した新型XC90は、従来のコイルサスペンションと比べて4.5kg軽量化したほか、NVH(ノイズ・振動・きしみ音)も低減、乗り心地の改善も図った。今後、この新プラットフォームは他のボルボ車にも採用される予定。
ロックタイトマックス2を使用したリーフスプリングは、世界的な自動車用コンポジット部品メーカーであるベンテラーSGLが製造する。このリーフスプリングの生産予定数は年間数十万個と見込んでいる。
ガラスや炭素繊維で強化したコンポジット材料によって車体が軽量化されることで、燃費が向上し、CO2の排出量も抑制される。コンポジット材料は、強靭であるため、安全性と衝突時の性能も向上する。
ヘンケルでは、ベンテラーSGLがボルボ向けリーフスプリングを量産するため、繊維強化コンポジット部品の生産サイクルタイムの最適化を図った。ロックタイトマックス2は、低粘度であるため型内にすばやく充填され、繊維材料に負担をかけずに速く浸透する。このため、注入時間を短縮できるほか、一般的に使用されているエポキシ樹脂より硬化速度も大幅に速く、全体のサイクルタイムも短縮できる。