最後まで迷いに迷ったのは、『デミオ』と『Cクラス』のどちらに10点をつけるか。「よしっ!」とデミオに決めたのは、日本のコンパクトカー界を大きく変えるだけでなく、世界のコンパクトカーの潮流にも影響をおよぼすエポックメーキングなモデルだと考えたからだ。
カギを握るのは、SKYACTIV-D 1.5が生む気持ちのいい走りと、所有欲をくすぐる艶やかな容姿や上質な仕立ての内装。日の丸コンパクトの常識を超えた、と表現してもいいだろう。なら、なぜCクラスを8点としたのか? 個人的には、ランフラットタイヤとエアサスの組み合わせが、まだメルセデスに対する期待値に至っていないと考える。2車の差はわずかなものだった。
マツダ『デミオ』:10点
メルセデスベンツ『Cクラス』:8点
BMW『i3』:4点
スバル『レヴォーグ』:2点
プジョー『308』:1点
森野恭行|カーレポーター
生来のクルマ好きで、スモールカーから高級サルーン、高性能スポーツカー、はたまた2~3t積みトラックまで、機会があればどんなクルマでもとことん試乗。クルマの個性や魅力、そして開発者が担当モデルにこめた情熱などを、新車紹介や試乗インプレッションなどを通してわかりやすく伝えることを信条とする。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。1963年生まれ。