13日、全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)第5戦の公式予選が大分県のオートポリスで行なわれ、昨年のチャンピオン・山本尚貴がポールポジションを獲得した。自身とホンダ勢にとっての今季初ポールとなっている。
午前のフリー走行時が曇りで、午後には晴れ間も覗くようになった九州オートポリスの上空。Q1~Q3の3段階ノックアウト方式予選は、開始直前の気温が21度、路温が26度という、近年の9月中旬にしては涼しめに思えるコンディションで始まった。
今回は決勝が約215kmという通常1レース制大会よりも短い距離設定になっており、これを無給油で走ることが課されている。燃費的な余裕はないと思われ、タイヤ交換(自由)のメリットがあまりなさそうな気象状況も鑑みると、決勝は燃費走行を意識しつつのノーピット戦略が主流になると予想される。つまり、いつも以上に予選が重要性を増すともいえるわけだが、その予選を制したのは2013年王者の山本(#1 TEAM 無限/エンジンはホンダ)だった。
今季序盤はトヨタ勢に対し苦戦していたホンダ勢だが、前回の第4戦もてぎから双方のエンジンが後半戦仕様に切り替わったところで上昇傾向に転じた。「今日は朝の走り出しからマシンのポテンシャルの高さを感じていた」という山本、実は前戦もマシンには上昇傾向以上の手応えがあったようで、もてぎの予選ではトラブルやペナルティが相次ぎ「歯車が合わなかったけど、やはりポテンシャルの高さは実感していた」とのこと。担当の阿部和也エンジニアも、「前回も(順調なら)ポールを獲れたと思います」とそれを裏付ける。
ホンダエンジンのパフォーマンスアップと、昨年ドライバーズチャンピオンに輝いた山本&阿部エンジニアのコンビを中心としたTEAM無限のマシンセットアップ向上努力が融合しての、山本自身、そしてホンダ勢にとって待望の今季初ポール獲得。
「今日は流れを引き寄せることができました。前回が不甲斐なかった(予選は18位扱い、決勝でもペナルティがあるなどして15位)こともあるので、この結果は素直に嬉しいですね」(山本)。
前述したように、今回のポールはいつも以上に勝利に近い可能性もある。その勝利最短位置から山本は、今度は自身とホンダにとっての今季初優勝を目指す。
予選2~3位はトヨタ勢で、国本雄資(#39 P.MU/CERUMO・INGING)とアンドレ・ロッテラー(#36 PETRONAS TEAM TOM’S)。そのあと4~5位には塚越広大(#10 HP REAL RACING)、野尻智紀(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)とホンダ勢がつけており、これまでとはやや違った印象の上位グリッドが形成されている。
予選6~8位はトヨタ勢のロイック・デュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、中嶋一貴(#37 PETRONAS TEAM TOM’S)、平川亮(#7 KYGNUS SUNOCO Team LeMans)。また、現在ドライバーズポイント首位のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL/トヨタ)がQ3進出を果たせず予選9位に終わったことが、今後のチャンピオン争いの激化を予感させる要素となっている。
第5戦決勝は、明日(14日)の14時45分にフォーメーションラップスタート予定。