【モスクワモーターショー14】遠くロシアの地で伝説の「陸王」と出会う

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陸王 九七式側車付自動二輪車(モスクワモーターショー14)
  • 陸王 九七式側車付自動二輪車(モスクワモーターショー14)
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海外で取材をしていると、あらゆるところで日本車を目にするものである。その中には、もちろん現地で販売されている新車もあるし、中古で流れ着いてきたと思われる旧式のものもある。しかし、極端に古いものを見かけることは少ない。ましてや、戦前のものなど皆無である。

しかし、モスクワモーターショー14の片隅で、第二次世界大戦中の国産自動二輪メーカーである陸王の『九七式側車付自動二輪車』が展示されているのを発見した。展示していたのはMOTOMIRという、第二次世界大戦中のものを中心に、世界各国の軍用車両をコレクションしている団体だ。旧ソ連やドイツ、米国の軍用車両の中にまぎれて、ひっそりと展示されていた。

陸王は、ハーレーダビッドソンに端を発する。1931年に、三共(現三共製薬)がハーレーダビッドソンより販売ライセンスを譲り受け日本ハーレーダビッドソンモーターサイクルを設立、その後生産ライセンスを取得したことで、国内での生産が開始される。日本ハーレーダビッドソンモーターサイクルは、三共内燃機を経て、1936年に陸王内燃機となる。1949年に陸王内燃機は倒産、その後、昭和飛行機が陸王モーターサイクルとして事業を引き継いだが、1960年に倒産した。

今回展示されていた九七式側車付自動二輪車は、1937年~1945年の間に日本陸軍で使用されていたもの。24馬力を発揮する1274ccのV型2気筒エンジンを搭載、最高速は96km/hに達する。

車両の横にあるスペックボードには“Very rare special Japanese army motorcycle that was used in the personal guard of the Emperor.(天皇陛下の護衛隊に使用されていた、とても珍しい日本の特別軍用自動二輪車)”と書かれている。タンク横に掲げられた「愛国」の文字が、この車両の来歴を物語っている。

《瓜生洋明》

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