【インタビュー】CEOに聞く、ケーニグセグの哲学…デザインと実用性両立したスーパーカー

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CEOのクリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏
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  • ケーニグセグ ワン
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スウェーデンで独自のスポーツカー作りを続けているケーニグセグ。設立20周年となる今年、創立者で現CEOのクリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏が来日。ケーニグセグ車の魅力や訪日の意図、将来計画について話を聞く機会を得た。

◆日本市場への再進出

----:今回の訪日は、販売ネットワークを構築することが目的なのでしょうか?

クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏(以下、ケーニグセグ):実を言うと7年前に、日本法人を立ち上げて販売をスタートしたことがあるんです。ただ当時の私たちはまだ小さな企業で、しかもアメリカが最大市場でした。

ですから2008年に起こった世界的な金融危機の影響は非常に大きく、事業展開を見直さなくてはなりませんでした。そこで日本からも一時撤退しなければならなかったのです。しかしここ数年はアジアや中東の顧客が増えていますし、日本も景気が回復している。そこで再び日本での事業展開を検討することにしたのです。

日本では以前からスーパースポーツモデルが販売されていて、そうした車種に慣れ親しんでいるユーザーもファンも大勢います。中国より市場が小さいのは事実ですが、日本も年に数台のセールスを見込めるポテンシャルがあると確信していますよ。現在はビンゴスポーツの武井真司代表と話し合いを進めているところです。

◆小規模ながら濃密なデザイン体制

----:それではケーニグセグ車の魅力について教えてください。たしかケーニグセグさん自身がデザインしたスーパーカーを作るために、会社を設立したと聞いています。

ケーニグセグ:最初に私がコンセプトを立案してスタイリングのアイデアを練り、それを具現化するために会社を立ち上げました。ただ、実際に開発を進めてきたのはチームです。「誰がケーニグセグ車をデザインしているのか?」ということであれば、それはスタッフ全員ということになりますね。

誰かがアイデアを思いついたら、すぐに皆で情報を共有する体制になっています。また顧客からのアイデアも検討対象ですよ。顧客もコミュニティの一員なんです。ただ最終的には、責任をもってすべて私が決断を下しています。

私たちが作っているエクストリーム・ハイパーカーの市場というのは、グローバルで見ても大きくはありません。ですから、すべての車両がそれぞれ独立したプロジェクトだと考えています。顧客ひとりひとりのために仕様を考え、デザインをまとめているんです。

つまりメーカーというよりは、コーチビルダーに近いのかもしれません。顧客とはシンプルで良い関係を保ちたいのです。常にわたしたちの商品を待ってくれている顧客がいて、事業が止まることがないというのはとても嬉しいことですね。

◆ケーニグセグの哲学は不変

----:CCシリーズの発売以来ずっと、基本デザインは変わっていないのにけっして古臭くならず、新鮮な驚きをもたらし続けている理由がわかりました。

ケーニグセグ:守るべき伝統は守りつつも、常に新しさ、新鮮さを提供する。それが私たちの哲学なんです。たとえばポルシェ『911』のようにね。競争力を保つためにアップデートすべきところは変えてゆきますが、ケーニグセグの哲学はこれからも変わりません。

もしかしたら10年後はあらゆる部分がアップデートされ、すべてが変わっているかもしれません。しかしそれは一気にガラリと変えたのではなくてステップ・バイ・ステップ、徐々に変えていった結果です。現在の車両と並んでも、共通した印象は必ず残っているはずですよ。

◆個性的なスタイリングの理由

----:では、プロトタイプ時代から変わっていない部分について教えてください。着脱式ルーフとドアの開き方がケーニグセグ車の特徴だと思っているのですが。

ケーニグセグ:私が最初に描いたスケッチで、すでにラップラウンドしたウインドスクリーンと着脱式ルーフを提案していました。航空機のキャノピーが持つ空力性能や視界の良さを与えたかったので、ウインドスクリーンはこの形状に決めました。

そしてルーフでは、クーペの美しいシェイプとコンバーチブルの開放感という2つの魅力を備えたかった。だから着脱式にしたのです。取り外したルーフがボンネット内に収納できるというのも当初からのアイデア。フェラーリ『F50』よりも先に、プロトタイプで具現化していたんですよ!

ドアは、幅狭いところでも乗降しやすいよう考えたデザインです。人間工学的に実用性を考慮した結果、こうした開き方になったのです。スーパーカーであってもスタイリッシュさと実用性というのを並行して考え、両立させていなければなりません。

いえ、スタイリッシュというよりは機能性や人間工学、それに空力を阻害しないミニマリスティック(最少限の要素)でビューティフルなシェイプが理想と言ったほうがいいですね。
《古庄 速人》

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