川崎重工業は5月29日、シンガポール陸運庁から同国の地下鉄(MRT)の新線、トムソン線と東地区線向け電車364両(4両編成91本)を受注したと発表した。受注金額は約600億円で、2018年から2021年にかけて納入する予定。
同社と同社シンガポール現地法人(Kawasaki Heavy Industries (Singapore) )、中国南車グループの南車青島四方機車車両(南車四方)との共同受注。車体はアルミ製で、1両あたりの全長は23.6m、幅は3.2m。これまでのシンガポールMRT車両と比べドア数を1つ増やした片側5ドアとなる。無人運転を行い、最高速度も100km/hに向上する。
川崎重工がプロジェクト全体の統括、設計、台車や主要機器を供給し、南車四方が完成車両の製作、工場試験と信号・通信などとのシステム検証試験、シンガポール現地法人が車両基地への搬入や納入整備、現地試験を担当する。
川崎重工はこれまでに他社との共同受注を含め、シンガポール陸運庁向けに地下鉄電車を計678両納入。さらに現在製造中の車両を含め2016年までに204両を順次納入する予定となっている。同社は今回の受注について「これまでの契約履行能力、納入した車両の品質、入札で提案した技術・価格が総合的に評価された」としている。
同社の発表資料によると、トムソン線と東地区線は合わせて全長43kmの全線地下の新線。シンガポール陸運庁の資料によると、トムソン線と東地区線は開業後は1つの路線として運行される予定となっている。