【BMW i3 発売直前】「 iシリーズ」は「M」と対をなすブランドのブックエンドになる

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  • BMWジャパン・広報室長の黒須幹氏
  • BMWジャパン・技術顧問の山根健氏
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BMWジャパンは次世代モビリティである電気自動車のBMW『i3』を2014年4月5日より日本に導入する。それに先駆け、3月中旬にメディア向けの試乗会が鹿児島県屋久島で実施された。屋久島は島内で使用する電力のほとんどを水力発電で賄う。つまり、ユネスコの世界遺産に指定される島を部隊に、CO2フリーの電力による電気自動車走行を体験するという、なんともエコな試乗会となったのだ。

その試乗会会場にて、BMWジャパンの広報室長・黒須幹氏と技術顧問である山根健氏に話を聞くことができた。

BMW i3は東京をターゲットに開発された!?

----:今回のi3は、欧州から遅れること半年弱。まったくの新しい試みであるのに、「日本にいち早く持ってきたな」という印象です。

山根氏(以下敬称略):このBMW「iシリーズ」のプロジェクトは2007年に始まっています。「これから世界は大都市に人口が集中する。その大都市向けのクルマを作らなければならない」ということでメガシティビークル・プロジェクトが立ち上がりました。そこで大都市の代表を7か所ピックアップしたのですが、その筆頭が東京とロサンゼルスだったんです。なぜかといえば、ロサンゼルスは自動車の都市で自動車がないと生活ができない。また、ZEV規制があるように先進的な街でもあるからです。ところが東京は、逆なんですね。地下鉄など交通インフラが非常に発達していながら、自動車への期待値もものすごく高い。つまり、その2つの地域に適合するようなクルマでないと、メガシティビークルは成立しないであろうというのが出発点なんです。

黒須氏(以下敬称略):また日本は、充電のインフラや政府の補助金制度などがあり、トータルに見ると、電動化モビリティの先進国なんですよ。そういうこともあって日本は非常に注目されているので、日本への対応が早いだけでなく、熱心にやってもらえるんです。

----:それでは、これから「BMW iシリーズ」をどのように育てていこうという考えなのでしょうか?

黒須:「iシリーズ」の役割はブックエンドなんですよ。真ん中にBMWという本体のブランドがあります。サブブランドに「M」と「i」がある。比喩的に言えば、本を左右から支えるブックエンドが「M」と「i」です。また、サブブランドの役割は、本体のブランドのひとつの特徴を際立たせることです。BMWの本体には「エフィシエント・ダイナミクス」が強く出ています。特にその中にある「シェアドライビング・プレジャー」は、絶対に外せない。さらに最近の時代の要請において、「エフィシエンシィ」もますます強化しないといけない。それが、BMW本体のブランドの考え方です。

それに対して、特に「シェアドライビング・プレジャー」を強化していくのが「M」。もちろんサスティナビリティも犠牲にしてはいけません。一方で、「i」の方は、「シェアドライビング・プレジャー」を犠牲にせず、サスティナビリティを究極に高めていくという役割です。

この「i」と「M」、双方が高めていったものをBMW本体に注入するのも、この2つのサブブランドの役割です。たとえば、「i」は電動化技術をベースにした、サブブランドですけれど、そのEドライブを、BMW本体の方にもどんどんフィードバックしていきます。また、カーボン技術。いろいろと新しいカーボン技術を確立するために開発と生産にものすごく投資しているんですね。その投資の回収を、i3と『i8』だけでなく、BMWのすべての車種で回収します。その心はなにか? といえば、「iシリーズ」だけでなくて、他のBMWモデルでもカーボンを使うことを意味します。

----:「iシリーズ」は、新しい電気自動車ということでなく、BMW全体としての新しい一歩であるということですね。

黒須:そういうことです。ビジネスモデルを変えていこう!というのに近いんですね。

《鈴木ケンイチ》

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