【ルノー キャプチャー ZEN 試乗】しっとりした乗り味、プレーンなよさ…島崎七生人

試乗記 輸入車
ルノー キャプチャー ZEN
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グレード名の「ZEN」(=禅)は“静けさ”を意味するのだそう。上級グレードの「INTENS」とは対照的なネーミングで、“素のグレード”であることをそういう表現で伝えている。

エクステリアでは、単色のボディカラーが特徴。併せてドアミラーのハウジングもボディ色となる。ノーメイクとは言わないが、INTENSよりグッとプレーンな印象。ミニでもルーフ色をわざわざボディ色に塗り直す逆こだわり派がいるように、決して2トーンではなくとも『キャプチャー』の個性のあるスタイルは楽しめる。リヤドア以降のガラスが濃色ではない潔さも、レポーターには好ましく思えた。

インテリアも同様にプレーン。例の着せ替えシート表皮も省かれる。が、試乗してわかったのは、コチラのシートのほうが、より昔ながらのルノーらしい座り心地だということ。家のベッドのマットレスの上に敷きパッドを1枚敷いて、クッションと表皮の張りの変化で寝心地が微妙に変わるのと同じ現象のようだ。着座して、体重を受け止めスッとクッションが沈み込む感じは、個人的にはZENのほうがいいと思うし、走行中に身体に伝わる音・振動が、クッション部分の差で、幾分か和らげられているようにも感じた。

ジックリと付き合うと、走りのよさも見えてきた。1.2リットルターボはトルク、パワーともに申し分ないし、6速デュアルクラッチの変速のスムースさは、まるで上級サルーンのトルコン式ATのよう。また「ECOボタン」のON/OFFで、普通の走りとスポーツカーのような走りを切り替えて楽しめる。16インチタイヤの乗り味は、低速からしっとりと優しいのが17インチのINTENSとの差。大入力があった際のショックの小ささ、足が軽い感じも実感できる。日産『ジューク』がそうであるように、やや高めの着座位置により広い視界が得られ、何より日常的に乗って楽しげな気分にさせてくれるクロスオーバーだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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