【新聞ウォッチ】トヨタ営業益2兆4000億円予想も凍る世界同時株安

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2014年2月5日付

●トヨタ最高益2.4兆円、3月期見通し、リーマン前上回る(読売・1面)

●株終値610円安、円高一時100円台に(読売・1面)

●東京駅―羽田直通検討、JR東北関東直結も視野(朝日・1面)

●マイクロソフト、ゲイツ会長退任(朝日・6面)

●TPP大詰め調整日米関税交渉進展なく(毎日・6面)

●日立23年ぶり最高益、通期予想、シャープも上方修正(産経・10面)

●ソニー、パソコン売却へ、投資ファンド有力、2期ぶり最終赤字に、今期 (日経・1面)

●低燃費車の開発横浜で拠点増強、スズキ (日経・9面)

●富士重、純利益が過去最高、今期85%増の2210億円 (日経・14面)

ひとくちコメント

立春というのに強い寒気で都心でも雪か降り、路面が凍結するほどの冷え込みだが、凍てついたのは天候ばかりではなかった。

4日の東京株式市場は、前日の米国市場での株価の大幅下落を受けて、全面安。日経平均株価は終値が前日比610円66銭安の1万4008円47銭。2013年10月8日以来、約4ヵ月ぶりの安値水準まで下落した。

一方、外国為替市場も円高が進行。一時、1ドル=100円76銭と、約2ヵ月半ぶりの円高ドル安水準になった。

きょうの朝日が1面トップで「同時株安日本突出、アベノミックス期待反転」と大きく取り上げているほか、毎日も「2012年末以降、円安・株高を演出した安倍政権の経済政策『アベノミクス』に冷や水が浴びせられた」と伝えた。

こうした中、トヨタ自動車が2014年3月期連結決算で、営業利益が6年ぶりに過去最高の2兆4000億円になるという見通しを発表。日立製作所も23年ぶりの営業利益が最高になる見通しを発表したことから、日経は「日本を代表する製造業の収益力が回復してきた」と取り上げている。

また、読売はアベノミックスによる円安を追い風に、トヨタの好決算が「取引先の鋼材を生産する鉄鋼業界にも恩恵が及んでいる」として、当面の焦点は「トヨタが6年ぶりのベースアップに踏み切るかどうか注目が集まる」とみている。

東京は「恩恵が中小の部品メーカーまで及ばないと経済の好循環は心もとない」と指摘。「従業員に、そして下請メーカーにどう還元するのか。巨大企業の判断に注目が集まる」と伝えた。

間もなくその春闘も本格化する。自動車ではホンダ労組などが5年ぶりに「ベア1%」を要求する動きもあるが、「組合の要求が控え目過ぎる」との声もささやかれている。現時点では「賃上げ波及は未知数」(東京)との見出しが的を射ているようだ。

《福田俊之》

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