日本発のEVベンチャーの可能性をGLMに期待!…トミーカイラZZ、東京で披露

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日本発のEVベンチャーの可能性をGLMに期待!…トミーカイラZZ、東京で披露
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  • 日本発のEVベンチャーの可能性をGLMに期待!…トミーカイラZZ、東京で披露
  • グリーンロードモータース代表取締役社長 小間裕康 氏
  • グリーンロードモータース代表取締役社長 小間裕康 氏
  • グリーンロードモータース代表取締役社長 小間裕康 氏
  • グリーンロードモータース代表取締役社長 小間裕康 氏

2014年1月28日、東京・上野の東京美術館前で、グリーンロードモータースの電気自動車「トミーカイラZZ」が報道陣に披露された。2月から東京に常設の展示スペースができることを告知するのが主目的であった。

「トミーカイラZZ」は、1997年にほとんど手作りのスポーツカーとして206台生産されたクルマである。それを京都のグリーンロードモータース株式会社が、電気自動車として復活させ市販させようというプロジェクトである。

ちなみにグリーンロードモータースが設立したのは2010年のこと。そのころの日本は、2009年に三菱から電気自動車の「i-MiEV」が発売され、日産からも2010年に電気自動車の「リーフ」が世に送り出された。一方で、普通の自動車を電気自動車に改造することも話題を集めており、世を挙げて電気自動車がブームのようになっていた時期であった。当時は「モーターやバッテリーは売っているため、それらを買って組み立てれば誰にでも電気自動車を作ることができるのでは!?」という意見もあり、全国各地でEVの開発&市販を目指す動きが活発となっていたのだ。

実際に、その当時、日本全国のあちこちのEVベンチャーを数多く取材した。街の小さなショップ・レベルから、街の発明家といった市井のEVベンチャーもあれば、行政が大まじめに取り組むケースや大企業による新規事業としてのトライもあった。まさに玉石混淆という雰囲気。そうしたEVベンチャーのひとつがグリーンロードモータースであった。

しかし、数多くのEVベンチャーの中でもグリーンロードモータースは、明らかにポテンシャルが高く見えた。母体となったのは京都大学。信頼度は抜群だ。車体のベースとして、かつて現実に市販された実物のスポーツカーがあった。技術的にも有利となる。プロジェクトの推進役としてプロの経営者も関わっていた。つまり、人も技術も地盤も揃っていたのだ。ここまで好条件が揃ったEVベンチャーは他に存在しなかった。ある意味、ここまで条件の揃ったグリーンロードモータースが成功しなければ、日本でEVベンチャーが芽生えることは不可能ではないか?というほどの存在であったのだ。

しかし、そのグリーンロードモータースであっても、そのプロジェクトは難航した。当初の予定であった2011年になっても市販モデルは登場しなかった。量産モデルの最終デザインが発表されたのは、ようやく2013年4月のこと。さらに市販モデルの量産が本格化するのは、2014年の11月以降だという。その歩みは遅い。トミーカイラのエンブレムである亀のようでもある。しかし、一方で、亀の歩みであってもグリーンロードモータースは確実に前進し続けているのだ。

800万円の正札が付けられ、しかもまだ一度も試乗できない電気自動車の「トミーカイラZZ」であるが、すでに予約は160件以上を得たという。99台の限定生産のうち、2014年度は第一期として33台を生産する予定で、その33台分に関しては手付け金も支払われているという。さらに、海外からの問い合わせも増えている。また、次期モデルの開発も並行して進行中だ。出資者も少しずつ確保しており、現在の資本金は8億円を突破した。関西エリアを中心に、オムロンやニチコン、日本電産などのサプライヤーとの良好な関係も築いてきたという。

海外でEVベンチャーといえばテスラモーターズが存在する。北米だけでなく、日本にもディーラーを構えるなど、まさに快進撃と急成長のただ中のEVベンチャーである。それと比べれば日本のグリーンロードモータースの歩みはゆっくりだ。しかし、どんなにゆっくりであっても、グリーンロードモータースは、日本のEVベンチャーとして最も成功を収めた存在である。その歩みがどこまで続くのか?日本のEVベンチャーがどこまで伸びることができるのかは、現在のところグリーンロードモータースの歩みを見ることでしか知ることはできない。その歩みから目を離してはいけない存在と言っていいだろう。

《鈴木ケンイチ》

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