西之島(東京都小笠原村)の南東500m付近で2013年11月20日、噴火が発生し、直径約200mの新しい島が形成されていることが確認された。新しい島はその後、西之島方へ急速に拡大し、12月25日頃には西之島とつながった模様だ。
新しい島の大きさは、12月26日時点の報道で「東京ドーム3個分」などと伝えられている。ただ、東京ドームを訪ねたことが少ない私にとっては、いまいちピンとこない。東京ドームの中には3回入ったことがあるものの、いずれも某クイズ番組の第1次予選に参加しただけ。クイズに集中していてドーム内の様子はよく覚えていない。
そこで、国土地理院が暫定的ものとして公開している空中写真(2013年12月17日時点)から島の海岸線を切り出し、東京駅周辺の地形図をほぼ同じ縮尺になるよう調整して重ねてみた。東京駅との比較なら、何でもかんでも鉄道基準で考える私にとっては分かりやすい。
すると、東京駅の丸の内側の駅前広場から八重洲側の広場まで、ほぼすっぽり従来の西之島の島内に収まった。
今から100年前の1914年、島式ホームを4面持つターミナル駅として整備された東京駅は、後に輸送力の増強や新幹線の開業などでホームを増設しており、現在は地上ホームだけでも10面という規模に成長している。一方、西之島も1973年、南南東の海域に新しい島(西之島新島)が出現し、翌年には西之島と合体して面積が拡大している。今回の新島出現・合体も含め、東京駅のホーム増設の歴史とかぶる気がしないでもない。
ただ、京葉線の地下ホームは西之島の外に出てしまった。このホームは山手・京浜東北線や東海道新幹線などの地上ホームが並ぶ東京駅「本体」からかなり遠く、一部では「遠京駅」などとやゆされているが、やはり京葉線地下ホームは遠い。
西之島=東京駅「本体」とすると、今回出現した南東500m付近の新しい島は、2013年12月17日時点で東京メトロ銀座線の京橋駅とその周辺をすっぽり覆っている格好となる。後に拡大して西之島とつながっているから、わずか1カ月ほどで東京駅と京橋駅を結ぶ連絡通路が整備されたようなものだろうか。