国内初、海上に仮想センターライン…伊豆大島の西方沖で運用へ

船舶 行政
「国内初の推薦航路」位置図
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「海上にバーチャルなセンターラインを引く国内初の試み」。海上保安庁と国土交通省は3月13日、伊豆大島西方沖の推薦航路の設置について、英国ロンドン国際海事機関(IMO)本部で合意されたと発表。今後、第98回海上安全委員会での採択を経て、運用の準備に入る。

今回、国などが世界に提案する推薦航路は、伊豆半島と伊豆大島に挟まれた海域に設置する長さ15kmの、「いわば海上のセンターライン」。もともと海上では右側通行が基本とされるなか、「境界線を明確に敷くことで、衝突の危険性を減らせる」という。

この推薦航路設置を提案する背景には、同海域で頻発する衝突事故があるという。「伊豆大島の西方沖は、日本各地や海外から、東京湾をつなぐ主要な船舶の通航路。多くの船が行き来し、これまでに衝突事故が度々発生。2013年には、貨物船同士の衝突で船員6人が死亡している」。

そこで国などは、この海域に、船舶航路指定制度(SOLAS条約)にもとづく仮想センターライン「バーチャルAIS航路標識」を置き、レーダーや電子海図上で航路標識のシンボルを仮想表示させる推薦航路を提案した。「海の上にリアルな灯台やブイを置くものではない」と担当者はいう。

この推薦航路が英国ロンドン国際海事機関(IMO)本部で合意され、次のステップとなる第98回海上安全委員会(MSC 98、6月開催)で採択されれば、運用の準備に入る。

《レスポンス編集部》

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