熟成極まり、量産フォーミュラとしては極限域といっていいスピードを発揮するSF13を短時間でそれなり以上に乗りこなすのは簡単な所業ではないはずだが、初日朝のドライで走れたわずかな時間帯、現行レイアウトの富士は初めてにもかかわらず、カーティケヤン(KYGNUS SUNOCO Team LeMans/エンジンはトヨタ)は20周目に1分23秒837という全体ベストタイムを出した。これは約1カ月前の富士スプリントカップのポールタイムの1.1秒落ちという水準であり、チームの山田健二エンジニア(今季ロイック・デュバル担当)らも感心しきり。F1を含む日欧のハイレベルカテゴリーでの経験と実績が伊達ではないことを証明した。
カーティケヤンはフライトの関係で2日目午前までで走行を切り上げたが、本人のSFへの参戦意欲は高いらしい。KYGNUS SUNOCO Team LeMansはデュバルの続投が規定路線であるなどしており、ここに割り込むことは難しいが、今回見せた速さに対して別のチームが興味を示す可能性はあるのではないだろうか。