SUPER GT最終戦は、3日、ツインリンクもてぎで決勝日を迎えた。GT500クラスはレクサスの大嶋和也&国本雄資がポール・トゥ・ウインを飾り、3位でゴールした立川祐路&平手晃平(レクサス)がドライバーズチャンピオンを獲得している。
予選日同様ドライだが、やや暖かめのコンディションとなった最終決戦のこの日、ポール発進の#6 ENEOS SUSTINA SC430(大嶋&国本/ブリヂストン)は終始レースの主導権を握って離さないまま勝利してみせた。「まさかこんなにうまくいくとは」と完勝劇を振り返る大嶋とチームにとっては今季初優勝、国本にとっては通算でも自身初のGT500優勝となったわけだが、前戦でタイトル挑戦権を失っていた彼らの首位快走は、同じレクサスSC430を駆るポイントリーダー、#38 ZENT CERUMO SC430(ブリヂストン)の立川&平手にとって有利に働く。
大嶋と国本が優勝の20点を持っていくことは、ポイントテーブル上で逃げる立場の立川組には歓迎材料だ。レース後半、タイトル獲得権を有するホンダの#17 KEIHIN HSV-010(塚越広大&金石年弘/ブリヂストン)が執念で#38 立川組をパス、2位に上がるが、#6の首位が安泰である以上、立川&平手は3位でOK。レースはそのままの順位で決着し、立川にとっては8年ぶり、平手にとっては初のタイトル獲得が決まった。
2001、05年に続く3回目のタイトル獲得となった立川は、その喜びをこう語っている。「とにかく嬉しい。今年は最初からマシンの調子はずっと良かったんですが、シーズン中盤にそれをうまく結果につなげられなくて、3戦連続ノーポイントがあった時には正直、タイトルをあきらめかけもしました。でも、そこから『最後まで何が起こるかわからないんだ』という気持ちで戦ってきたことが、こうやってタイトルに結びついたんだと思います」。立川は近年のミシュランとの激しいタイヤ戦争についても触れ、「ブリヂストン勢として過去2年はタイトルを逃していたので、今季の奪冠を強く意識してタイヤ開発をしてきたことが実ったんだと思います」とも話した。
最終戦はブリヂストンを履く5台のレクサスSC430が優勝+3~6位と、全車ノーハンデの戦いのなかで速さと強さを発揮、立川の言を裏付ける結果ともなった。2位の#17 HSVも含め、ブリヂストンは最終戦決勝の1~6位を独占している。
05年には立川のパートナードライバーとして共にタイトルを獲得した高木虎之介監督は、「監督としても(立川と一緒に)タイトルを獲得できて嬉しいね」と語り、初のビッグタイトル獲得となった平手も、「ものすごく嬉しいです。でも、まだ(本当の)実感はないですね。時間が経ってから、だと思います」と語った。なお、GT500チーム部門タイトルも立川らが所属するセルモが獲得。
SUPER GTの今季シリーズ戦はこれで終了だが、この後には特別戦「JAF-GP富士スプリントカップ」の開催が待つ。11月22~24日(SUPER GTの走行は23日からの予定)、来季からの技術規則大幅変更を前に、現行規定のGT500マシンによる真のラストバトルが富士スピードウェイで展開される。