米メリーランド州ボルチモア、メジャーリーグのオリオールズの本拠地球場近くに特設されたコースが舞台の一戦は、レース後半、荒れに荒れた。市街地コースではありがちな展開ともいえるのだが、フルコースイエローコーション明けの再スタートで混乱が生じ、またフルコースイエローコーションが発生……という連鎖に陥ったのだ。そのなかで、ペンスキー、ガナッシ、アンドレッティといった3強チームの面々は続々と表彰台争いから脱落。最終盤の先頭集団は普段見慣れぬメンバー構成となり、乱戦を生き残ってトップゴールを果たしたのはシモン・パジェノー(#77 Schmidt Hamilton Motorsports/ホンダ)だった。
「チームがファンタスティックなマシンを用意してくれたよ。2度目のピットストップのタイミングも完璧だった」と言うパジェノーは、今季第7戦でのキャリア初優勝以来となる2勝目。予選3位からスタートし、レースが荒れる前の段階においてウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)やスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)といった強豪と渡り合って見せるなど、生き残っただけではなく、充実したレース内容でもあった。首位と70点差ながらポイントランク3位に浮上し、パジェノーは「チャンピオン争いにも食い込んでいける勝利を飾ることができたと思う」と、さらなる大望を抱くに至っている。
このレースの2位はジョセフ・ニューガーデン(#67 Sarah Fisher Hartman Racing/ホンダ)、3位にはセバスチャン・ブルデー(#7 Dragon Racing/シボレー)が入った。女性選手のシモーナ・デ・シルベストロ(#78 KV Racing Technology/シボレー)が5位と健闘。
チャンピオン争い首位のエリオ・カストロネベス(#3 Team Penske/シボレー)は今回9位。しかしながら、ランク2位のディクソンがまたもや“パワーとの交錯”(今度はコース上での交錯)によって上位フィニッシを逃す結果(19位)となったため、カストロネベスのリードは49点へと拡大している。