BASFジャパンコーティングス事業部が毎年発表している2から3年先のカラートレンドの、今年のテーマは“Making Headway”前進”だ。このグローバルのテーマをもとに、世界共通のカラートレンドと、アジア・パシフィック、欧州、北米それぞれのカラートレンドを予測している。
アジア・パシフィックの今年のテーマは、“WITH PRIDE(プライドを胸に)”だ。「アジアの経済が少しスローダウンしてきた影響か、上昇志向の強い中国ですら、若者の間では経済性や将来の出世ではなく、環境に配慮した仕事に就きたい、お給料はそれほどではなくても環境配慮をライフワークとして取り組みたいという価値観も出て来ています」と話すのは、同社カラーデザインセンターアジア・パシフィックチーフカラーデザイナーの松原千春氏。そこで、「経済市場での力強さと同時に、自分たちの持つ考え方、ライフスタイルにもプライドや、自信、誇りを持ち始めていることがアジアでも見受けられるようになったことをテーマにしています」という。
「アジアらしいストレートな少し強めのカラーと、グレー系が重要です。日本はもちろん、新興国でもボリュームカラーは白、黒、グレー、シルバーですから、そこが特に重要となります」と松原氏。また、「自動車や二輪の女性ユーザーが新興国で増えてきていますので、女性のユーザーに好まれるような、カジュアルな感じのミディアムカラーも重要になります。少しオリーブ味や、ブルー味を感じるような、洗練されたグレー系も出てくるでしょう」と話す。
欧州のテーマは“IN SOBRIETY(冷静な態度)”。「EUの連携によって、他の国と協力して、冷静沈着に物事を進めて行こうというテーマです」。色味はカラフルだが、鮮やかさはかなり抑え冷静さや落ち着きが表現されているとする。
北米のテーマは“ASPIRE TO(熱望するもの)”。「アメリカの権威の復活、正しい社会を熱望するというイメージです。頑張れば成功できる、夢が叶うといったアメリカが本来持っていた素晴らしい文化をもう一度見直したいというテーマです」。
色味としては。「アメリカの少しクラシックな感じ、昔あったようなカラーを、最新の技術でもう一度作り直したようなカラーが特徴です」と地域別のテーマを説明した。