ルマン24時間耐久レースは、欧州のレース好きが集う“祭り”という様相も含まれている。アウディやポルシェ、フェラーリといったブランドは自社の顧客をサルト・サーキットに呼び、レースを楽しむためのホスピタリティを提供している。
今年のサルト・サーキットで最も充実した施設を提供していたのはアウディだ。
サーキットの目の前には、アウディが「ホテル・ミュルサンヌ」という仮設の宿泊施設を用意している。巨大な建物の中に間仕切りを作り、畳2畳ほどであるが個室を500ほど作っている。
簡易的な施設ではあるが、充分な数のシャワールームも用意されており、なにより清潔だ。そして一番の売りはとにかくサーキットに近いこと。ゲートまで車で2分ほどであろうか。
ロビー前には常にバンが待機していて、いつでも送ってくれる。アウディはVIPも重役も揃ってこのホテルを利用している。
また、サルト・サーキットのフォード・シケイン内側には「アウディ・レーシング・アリーナ」が建てられている。
手の込んだ食事を堪能できるホスピタリティ・エリアとともに記者会見場も兼ねる施設だ。テラスはフォード・シケインでのバトルを鑑賞できるまさに天井桟敷となっている。
夜はバンド演奏付のバーへと姿を変え、会見場はクッションが置かれ深夜映画館へと変身する。上映映画はあの名作「グラン・プリ」だった。
他にもバーベキューを味わえる「アウディ・レーシング・ガーデン」、「アウディ・レーシング・クラブ」等、アウディはこうした施設をサーキット内に7つも持っている。