レクサス新型『IS』の最上級グレードIS350。スポーティなFスポーツが注目されるが、ラグジュアリーなバージョンLもかなり魅力的だ。
ISはそもそも420万円スタートのモデル。3.5リットルだと520万円から。今回サンプルのバージョンLは575万円という価格の4ドア車なのだから、かなりの快適性が求められて当然。
日本車には価格と乗り心地が比例するという不文律がある。とくにトヨタの4ドアはこの不文律については忠実で、これを破るようなことはしない。試乗したIS350バージョンLは、標準仕様のままではなくタイヤがフロント225/40R18、リヤが255/35R18(標準は前後とも225/45R17)とサイズアップされ、サスペンションもスポーツタイプになっていたが、乗り心地はバツグンにいい。
リヤタイヤの扁平率を下げていながら、イヤらしいコツコツ感やサスペンションが伸びるときのズンという感触などがないのがいい。大きなうねりのあるような場所でも、足まわりの動きそのものがいいだけでなく、ダンピングも効いているのでしっかりとした感覚で乗ることができるのだ。
当たり前のことだが静粛性も高く、長時間、長距離を乗っていても疲れないレベルのチューニング。クルーズコントロールのスイッチを入れてしまえば、休憩するのも忘れて走り続けてしまいそうだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。