【JAXA D-SEND】“スバル”の次世代旅客実験機…ソニックブーム低減技術をテスト

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試験機の全長は約8m、重さは約1トン。これを高度30kmから投下し、自由落下中に音速を突破させる。
  • 試験機の全長は約8m、重さは約1トン。これを高度30kmから投下し、自由落下中に音速を突破させる。
  • 公開された試験用の機体。S3CM(S-cube Concept Model)と呼ばれている。
  • ソニックブームを低減させる工夫が機体の随所にみられる。
  • 平たい後端部も特徴のひとつ。
  • JAXAの吉田憲司・D-SENDプロジェクトチームマネージャー(右)と、製造を担当した富士重工・航空宇宙カンパニーの加茂圭介・航空機設計部長
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、次世代超音速旅客機を開発するためにクリアしなくてはならない「ソニックブーム低減技術」を実証するための試験機体を報道公開した。高度30kmから投下し、自由落下中に音速を突破させてその騒音を測定する。

この機体は「D-SEND(Drop test for Simplified Evaluation of Non-symmetrically Distributed sonic boom)プロジェクト」という、ソニックブームによる騒音測定を目的として落下試験で用いられるもので、今回公開された試験機の機体はJAXAが設計。無人機の開発や製造で実績のある富士重工業・航空宇宙カンパニーが製造を行った。機体はアルミ合金製で全長が約8m。重量は約1トンで、エンジンは搭載されていない。

超音速機の開発で問題となるのは、巡航中の機体が空気を切り裂くように飛行する際、機体後部で発生する「ソニックブーム」と呼ばれる衝撃波。超音速旅客機の先駆けとなった「コンコルド」はこのソニックブームの激しさから洋上でしか超音速飛行ができなかったが、「D-SENDプロジェクト」ではこのソニックブームを低減。陸の上でも超音速飛行が可能な旅客機開発の基礎研究につなげていくことを目的としている。

機体は今後、スウェーデン国内の実験場に輸送。今年8月に行う落下試験で音速を突破させ、その際に発生するソニックブームや、これに伴う騒音の測定を実施する。

JAXAでは2020年までに超音速機の低騒音技術を確立することを目標としているが、この技術を利用した実機の開発が行われるかどうかはまだ決まっていない。
《石田真一》

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