第6戦の舞台は、モナコの市街地サーキット。タイトでツイスティなモンテカルロは、ショーとしての豪華さや優雅さでも別格だが、ドライバーの体力という点でも並大抵ではないレベルが求められる。
平均速度だけで言えば年間カレンダーでも最低速なのだが、バリアが近接していることと、ランオフエリアがまったくないため、ドライバーには高い集中力が要求される。また、モナコではとにかくグリップが重要なため、各チームが持ち込むセッティングは最大ダウンフォース、またタイヤサプライヤーであるピレリが用意するのもソフトとスーパーソフトの組み合わせだ。
ここ数年はレッドブルの勢いが目覚しく、2010年と2012年にはマーク・ウェーバーが、2011年にはセバスチャン・ベッテルがモナコで優勝している。しかし、レッドブル独走が今年も続くのかどうかは予断を許さない状況だ。モナコではポールポジションの重要性が高く、過去10戦を見ても8回はフロントロウからの優勝というデータは見逃せない。
今年の過去5戦を見る限り、有利なのはメルセデスAMGだ。ニコ・ロズベルグは直近2戦でポール、ルイス・ハミルトンも中国GPでポールを獲得している。その一方、母国スペインで優勝し勢いに乗ったフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)も、優勝を狙っていることは間違いない。今季の安定性部門ナンバーワンのキミ・ライコネン(ロータス)も、日曜日のストリートファイトには間違いなく加わるだろう。マシンの優位性が他ほど影響しないモナコは、すべてのドライバーに勝利のチャンスが開かれていると言っても過言ではない。