【JARI-ARV】描画遅延はないが、慣れるまで車幅感覚がつかめない

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60km/h程度の速度であれば描画遅延はなく、前方映像はほぼリアルタイムでモニターに表示される。
  • 60km/h程度の速度であれば描画遅延はなく、前方映像はほぼリアルタイムでモニターに表示される。
  • 運転席から前方を眺めるとこんな状態。
  • 現実の風景なのだが、モニター越しに眺めることとなる。
  • 現実の風景にCGの対向車を重ねた状態。
  • 静止画で見ると「いかにもCG」だが、それなりの速度で走行中に眺め見た場合、その印象が薄れる。実際にあるものとして対応してしまうのだ。
  • 現状では飛び出し程度だが、モノはCGなので現実的には難しいシチュエーションでも作り込むことができる。
  • ボンネットが見えないので車幅感覚が得られにくい。最初はセンターラインを踏んでいそうな気がしてならなかった。
JARI-ARVの特異なスタイルを見て気になるのは「どんな運転感覚なのか」ということではないだろうか。今回の報道向け発表会では非常に短い時間ではあるが、JARI-ARVのハンドルを実際に握り、テストコースを走行することができた。

一番気になるのは「モニター越しの風景がどのように見えるのか」ということだろう。これはもう「普通に見えます。違和感もありません」としか答えようがない。それを前提に作りこんでいるのだから当然かもしれないが、カメラとモニターの性能が良いこともあって、本当に違和感を覚えさせない仕上がりとなっている。最近のミラーレスタイプカメラの中には、高精細な小型モニターを仕込んだ電子ビューファインダー(EVF)付きのものがあるが、あれを見ているような感覚が最も近い。

JARIの市外路テストコースは60km/hを上限に走行することになるが、この速度域ではモニターへの描画遅延も感じられず、カメラが撮影した映像をタイムラグなく表示しているように思えた。クルマ自体は普通のレガシィなので、走らせてしまえば普通のクルマと何ら変わることがないが、唯一気になったのは「車幅感覚を得られにくい」ということ。路外へ逸脱しないように余裕をもって走っていると、今度はセンターラインを踏んでいそうな気になってしまう。モニター越しで前景は見られるものの、カメラ搭載位置の関係からボンネットの隅が見えないためにこうした感覚を覚えるようだ。

JARI-ARV最大の特徴は「シミュレーター機能を有した実車」ということで、コース2周目からはCG(コンピューターグラフィックス)による駐車車両や対向車を、実際の映像に重ねて表示させた状態での走行となった。対向車はCGとすぐにわかるものだが、実際のコース上にあると「本当にそこにあるかのように対応してしまうもの」と気づかされた。ハイライトはこれもCGで描かれた歩行者の飛び出しだが、こちらも急ブレーキを掛け、衝突を回避しようとしてしまった。仮にひいてしまってもCGをすり抜けるだけ。路上に倒れたり、血を流すといった表現はなされない。

現状は昼間の晴天と曇天のみに使用可能。防水や耐水対策はしていないので雨天は使用できない。カメラの性能的には夜間でも使用できるが、モニター自体が闇を表現する場合でも若干の輝度を持ってしまっているので、昼間よりも現実との差異を覚えやすいため、今後の運用については検討していくとしている。
《石田真一》

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